2019 Fiscal Year Annual Research Report
イネ胚乳細胞の生長と成熟を制御する小胞体-細胞膜系の解明
Project/Area Number |
17H03759
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
恩田 弥生 愛媛大学, 農学研究科, 准教授 (70368463)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野並 浩 愛媛大学, 農学研究科, 教授 (00211467)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 植物 / 酵素蛋白質 |
Outline of Annual Research Achievements |
小胞体ジスルフィド産生・伝達系はジスルフィド産生酵素(例えばEro1)とジスルフィド伝達蛋白質(例えばプロテインジスルフィドイソメラーゼ[PDI])から構成される。一連の蛋白質折り畳み過程の中でジスルフィド結合の形成・開裂反応は細胞内外環境の影響を特に受けやすく、環境変化に迅速に応じながら精巧に調節される必要がある。本研究は、細胞内外環境の変動に応じてどのように小胞体酸化還元系が駆動制御され細胞の生長と成熟を達成しているか、その分子機構を明らかにすることを目的とする。令和元年度は外的環境変動に対するイネ(Oryza sativa)小胞体酸化還元系の駆動・動態を明らかにした。イネERO1は小胞体膜局在フラボ酵素蛋白質(ジスルフィドを産生しPDIへ伝達する)であり、QSOX(ジスルフィドを産生し直接基質分子へ伝達する)とは異なる転写誘導挙動を示した。PDIは複数のチオレドキシン様ドメインから構成されるマルチドメイン構造を示し、基質分子に直接作用しジスルフィド結合の形成、還元及び異性化を触媒する。イネゲノムは少なくとも約20のPDIファミリー遺伝子をコードし、ジスルフィド代謝ネットワークの駆動制御に重要な役割を担うと考えられる。外的環境条件変動下、イネPDI-1;1(ドメインabb'a')、PDI-1;4(ドメインcabb'a')、PDI-2;3(ドメインaa'b')、グルタチオンペルオキシダーゼは異なる転写誘導挙動を示した。現在、外的環境変動に応答しながら細胞生長と細胞死を動的制御する小胞体-細胞膜系とその作用機序の解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
外的環境変動に応じた小胞体ジスルフィド代謝系の駆動・動態を生化学的・分子生物学的解析により明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
外的環境変動に応答しながら細胞生長と細胞死を動的制御する小胞体-細胞膜系とその作用機序を明らかにする。
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Research Products
(1 results)
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[Journal Article] On-site single pollen metabolomics reveals varietal differences in phosphatidylinositol synthesis under heat stress conditions in rice2020
Author(s)
Wada, H., Hatakeyama, Y., Nakashima, T., Nonami, H., Erra-Balsells, R., Hakata, M., Nakata, K., Hiraoka, K., Onda, Y., Nakano, H.
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Journal Title
Scientific Reports
Volume: 10
Pages: 2013
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research