2020 Fiscal Year Annual Research Report
イネ胚乳細胞の生長と成熟を制御する小胞体-細胞膜系の解明
Project/Area Number |
17H03759
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
恩田 弥生 愛媛大学, 農学研究科, 准教授 (70368463)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 植物 / 酵素蛋白質 / ジスルフィド |
Outline of Annual Research Achievements |
プロテインジスルフィドイソメラーゼ(PDI)は複数のチオレドキシンドメインから構成されるチオール-ジスルフィド酸化還元酵素である。イネ(Oryza sativa)PDI1;1欠損型細胞は、酸化ストレス処理後、生長回復における著しい遅延を示した。これまでの研究成果に基づき、本年度はイネ細胞生長におけるPDI1;1の機能と役割を調べた。細胞骨格蛋白質アクチンは重合反応によりアクチンフィラメントを形成する。イネ細胞においてアクチン及びPDI1;1は細胞先端に分布し、酸化ストレス処理後、両者の脱分極が観察された。細胞抽出液を非還元/還元電気泳動解析した結果、アクチンが分子間ジスルフィド結合による高分子量構造体を形成し、PDI1;1はアクチン高分子量構造体と相互作用した。PDI1;1組換え蛋白質はジスルフィド結合形成(酸化)活性だけでなく、高いジスルフィド結合開裂(還元)活性を示す。そこで、アクチン高分子量構造体の形成及び分解におけるPDI1;1欠損の影響を解析した。酸化ストレス処理後、アクチン高分子量構造体は野生型及びPDI1;1欠損型細胞において形成された。しかし、続く回復期において、野生型細胞ではアクチン高分子量構造体が減少するのに対し、PDI1;1欠損型細胞ではアクチン高分子量構造体が蓄積し続けた。以上の結果、PDI1;1がサイトゾルにおいてアクチン高分子量構造体の分子間ジスルフィド結合を還元しアクチン高分子量構造体の分解を促進し、細胞骨格の再構築と細胞の生長に重要な役割を担うことが示唆された。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)