2018 Fiscal Year Annual Research Report
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17H03770
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山次 康幸 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (40345187)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | レクチン抵抗性 / 劣性抵抗性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではウイルスに対する植物免疫応答を対象とし、ウイルス感染阻害の作用点を明らかにすることを目指す。ウイルスに対する植物免疫応答の作用点を特異的に同定するためには、ウイルスの感染を詳細なステップに分割し、それぞれの植物免疫応答がどのステップを阻害するかを検出することが必要である。平成29年度までに、植物ウイルスを用いたin vitro実験系において、(1)ウイルスタンパク質の翻訳、(2)ウイルス複製酵素複合体前駆体形成、(3)ウイルス複製工場におけるRNA合成、のそれぞれのステップを識別する系を確立した。平成30年度はこの実験系を利用しながらJAX1によるレクチン抵抗性の作用点を解析した。まず、in vitroウイルス複製系においてJAX1を発現させ、ウイルス複製が阻害されることを示し、レクチン抵抗性をin vitroで再現した。次いで、宿主膜画分を除去した抽出液中でJAX1とウイルスレプリコンを反応させた後に再度膜画分を添加して複製反応を起こさせたところウイルス複製を阻害したが、膜画分を添加後にJAX1を加えても複製阻害は起きなかったことから、JAX1はウイルス複製工場形成以前のステップ(ウイルス複製酵素の翻訳あるいは複合体前駆体形成)を阻害することが明らかになった。また、ウイルス複製酵素の翻訳は影響を受けなかったことから、JAX1がウイルス複製酵素複合体前駆体形成に作用することを明らかにした。BN-PAGE法でウイルス複製酵素複合体前駆体を解析し、JAX1の有無による違いを解析したところ、JAX1の有無により分子量やバンドパターンの変化は観察されなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画通り進捗したため
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画通り研究を推進する
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