2019 Fiscal Year Annual Research Report
Signalling pathways involved in the formation of virulence-related biofilms of Ralstonia solanacarum
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17H03773
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
曵地 康史 高知大学, 教育研究部総合科学系生命環境医学部門, 教授 (70291507)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
甲斐 建次 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 准教授 (40508404)
大西 浩平 高知大学, 教育研究部総合科学系生命環境医学部門, 教授 (50211800)
木場 章範 高知大学, 教育研究部総合科学系生命環境医学部門, 教授 (50343314)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 青枯病菌 / マッシュルーム型バイオフィルム / 病原性 |
Outline of Annual Research Achievements |
2017年度に開発した、トマト植物から抽出した細胞間隙液を培養液としてナノパーコレーター上で培養した青枯病菌細胞集団を走査電子顕微鏡下で観察することにより、青枯病菌によるマッシュルーム型バイオフィルム形成能を質量的に解析しうるモデル実験系を用いて、2018年度に明らかになったマッシュルーム型バイオフィルム形成の時系列的順位に基づき、細胞間隙環境におけるマッシュルーム型バイオフィルム形成時における青枯病菌OE1-1株細胞の形態について時系列的に観察した。マイクロコロニーがら発達したマッシュルーム型バイオフィルムの表面に位置する細胞の多くに、メンブランベヒクルの形成が観察された。さらに、それらの中には、ナノチューブを形成し、隣接した細胞にナノチューブを貫入している細胞が観察された。貫入を受けた細胞の中には、表面が陥没し、さらには崩壊している細胞は観察された。そこで、バイオフィルム形成時の培養液を除菌し、OE1-1株ゲノムDNAの有無を量的PCRにより解析したところ、バイオフィルム形成時の培養液中にゲノムDNAが存在することが明らかとなった。さらに、DNA分解酵素であるDNaase I存在下でOE1-1株のマイクロコロニーからマッシュルーム型バイオフィルムへの発達能は有意に低下した。すなわち、マッシュルーム型バイオフィルム形成時に、青枯病菌細胞では、メンブランベヒクルやナノチューブを形成し、細胞間の情報伝達を行い、それぞれの細胞がマッシュルーム型バイオフィルム形成に必要な機能的分化を行うと考えられた。そして、一部の細胞が崩壊し、その結果、細胞外に分泌されたゲノムDNAをマッシュルーム型バイオフィルム形成に活用すると想定された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定では、1-2.RS-IILとラルフラノン化合物のmBF形成における役割の解析 2-2.RS-IILによるmBF形成に関わる遺伝子発現制御系の解明 3-1.ラルフラノン化合物の受容システムの解明 を行うことになっていたが、計画にはない、マッシュルーム型バイオフィルム形成時の青枯病菌細胞の形態観察を行う技術を2018年度の成果を基に開発することができ、新知見を得ることができたため、青枯病菌細胞の形態観察に注力した。しかし、当初の予定に従い、トランスクリプトーム解析等の分子生物学的解析も継続していることから、最終年度の2020年度に向けて研究は順調に進行していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度に進展が遅れた1-2.RS-IILとラルフラノン化合物のmBF形成における役割の解析 2-2.RS-IILによるmBF形成に関わる遺伝子発現制御系の解明 3-1.ラルフラノン化合物の受容システムの解明を進めるとともに、3-2.ラルフラノン化合物受容による mBF 形成 に関わる遺伝子発現制御系の解明 と4.mBF 形成に関わるシグナル伝達系の解明 を推進する。なお、2019年度に、当初、計画していなかった新たな新知見を得ることができたので、これらの新知見を基に、2020年度の研究ははかどると期待している。
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Research Products
(13 results)
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[Journal Article] Activation of ralfuranone/ralstonin production by plant sugars functions in the virulence of Ralstonia solanacearum2019
Author(s)
Ishikawa, Y., Murai, Y., Sakata, M., Mori, S., Shoma Matsuo, S., Senuma, W., Ohnishi, K., Hikichi, Y. and Kai, K.
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Journal Title
Molecular Plant Pathology
Volume: 14
Pages: 1546-1555
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Involvement of a PadR regulator PrhP on virulence of Ralstonia solanacearum by controlling detoxification of phenolic acids and type III secretion system2019
Author(s)
Zhang, Y., Zhang, W., Han, L., Li, J., Shi, X., Hikichi, Y. and Ohnishi, K.
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Journal Title
Molecular Plant Patholog
Volume: 20
Pages: 1477-1490
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Major exopolysaccharide, EPS I, is associated with the feedback loop in the quorum sensing of Ralstonia solanacearum strain OE1-12019
Author(s)
Hayashi, K., Senuma, W., Kai, K., Kiba, A., Ohnishi, K. and Hikichi, Y.
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Journal Title
Molecular Plant Patholog
Volume: 20
Pages: 1740-1747
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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