Study of plant factor(s) that induce infectious mechnism of fungal plant pathogens.

2017 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 17H03774
• Research Institution: National Agriculture and Food Research Organization
• Principal Investigator: 西村 麻里江 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 生物機能利用研究部門, 主席研究員 (30370670)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 町田 雅之 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 総括研究主幹 (30358006) ; 瀬尾 茂美 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 生物機能利用研究部門, 主席研究員 (80414910)
• Project Period (FY): 2017-04-01 – 2020-03-31
• Keywords: 生物間相互作用

Outline of Annual Research Achievements

感染時の植物病原性糸状菌は、植物にとって難分解性多糖であるα-1,3-グルカンで細胞壁表層を覆うことにより宿主の抗菌酵素から菌体を保護する。これまでの研究から、宿主植物由来の化合物により植物病原性糸状菌におけるα-1,3-グルカンの蓄積が誘導されることが明らかになっている。そこで、このような化合物のことを感染プライミング化合物と名付け、本化合物により病原性糸状菌がどのような感染行動を誘起するのか解析を行うこととした。
2017年度は複数の植物病原始糸状菌（イネいもち病菌、イネゴマ葉枯病菌、炭疽病菌）を用いて、α-1,3-グルカン生合成を誘導する感染プライミング化合物の処理により発現する遺伝子の解析を行った。その結果、感染プライミング化合物の１つにより、感染時に特異的に発現する分泌タンパク質をコードする遺伝子の発現が誘導される傾向にあることを見いだした。遺伝学的解析からこのタンパク質は宿主への感染に重要な機能を持っていると推測された。

Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

感染プライミング因子による病原性糸状菌の感染誘導を示唆する成果を得た。当初予定していた情報解析は、解析手法の開発もふくめて進めている。

Strategy for Future Research Activity

本年度、観察した糸状菌の感染プライミング化合物に対する応答が、化合物の構造に特異的な応答であるかどうかを確認する。ビッグデータからの目的遺伝子の抽出法を新たに開発する必要があり、次年度以降進める。