2018 Fiscal Year Annual Research Report
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17H03782
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
神谷 岳洋 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (40579439)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山上 睦 公益財団法人環境科学技術研究所, 環境影響研究部, 副主任研究員 (60715499)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | カスパリー線 |
Outline of Annual Research Achievements |
カスパリー線形成の鍵となる転写因子であるMYB36により発現制御されている遺伝子のうち、2つの遺伝子(LRR-RLKとCRKとする)について、そのT-DNA株がカスパリー線の形成に異常を示すことを前年度までに明らかにした。今年度は、それら遺伝子について、以下の点を明らかにした。 (1)細胞内局在と組織特異性を明らかにした。両者とも内皮細胞特異的に発現しており、LRR-RLKはカスパリー線形成位置(CSD)の両脇の細胞膜に局在し、CRKは細胞質及び核に局在することを明らかにした。 (2)これらの破壊株についてPI(propidium iodide)を用いてアポプラスト障壁としての機能を観察したところ、正常であることを明らかにした。加えて、スベリンの蓄積も野生型と同じであることを示した。 (3)ClearSeaを用いた解析により、より詳細にカスパリー線の実体であるリグニンの蓄積を観察したと。その結果、CSDのカスパリー線は正常であり、LRR-RLK, CRK共に内皮細胞の皮層側にリグニンが異所的に蓄積していることを明らかにした。このことは、これらの遺伝子が異所的なリグニンの蓄積を防ぐ機能を有していることを示している。 (4)カスパリー線形成に関わる遺伝子のイネのホモログについてCRISPR-Cas9を用いた破壊株を作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
遺伝子の機能について一部明らかにすることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
(1) これら遺伝子がリグニンの異所的な蓄積を抑える分子機能の詳細を明らかにする。具体的には、これらの遺伝子と相互作用する(データベース 上)ことが知られている遺伝子の破壊株の表現型をみたり、これら遺伝子との相互作用を実際に確かめたりする。 (2)イネのCRISPR系統のカスパリー線、イオノームの観察を行う。
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Research Products
(5 results)