2019 Fiscal Year Annual Research Report
優先的・選択的翻訳の分子機構の解析と醸造・発酵分野における有用性の検証
Project/Area Number |
17H03795
|
Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
井沢 真吾 京都工芸繊維大学, 応用生物学系, 准教授 (10273517)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 大輔 京都大学, 農学研究科, 准教授 (30527148)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 優先的翻訳 / 高濃度エタノールストレス / 翻訳抑制ストレス / 翻訳制御 / 発酵・醸造 / RNA結合タンパク質 / 酵母 / BTN2 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26-28年度の科研費の支援を受け、高濃度エタノールや発酵阻害物質による翻訳抑制下で優先的に翻訳される遺伝子 (BTN2やADH7, VFH1など)の同定に成功した。また、これらの遺伝子の発現が、ストレスへの適応や耐性獲得に重要であることを明らかにした。そこで、今回の科研費の支援を受け、優先的翻訳の分子機構について解析を進め、BTN2の優先的翻訳にRbp26などのRNA結合タンパク質が不可欠であることを明らかにした。また、高濃度エタノールストレス下でRbp26に結合するmRNAをRIP-assayで解析し、BTN2と同様に優先的に翻訳され発現量が増加する遺伝子を新たに見出した。これらの内容については学会発表を行ったほか、論文投稿を準備中である。さらに興味深いことに、エタノールストレス処理直後ではBTN2 mRNAがRbp26に多く結合するのに対し、処理3時間後ではBTN2 mRNAの結合量が減少して別の mRNAの結合量が著しく増加し、優先的に翻訳される遺伝子がストレス処理時間とともに変動することを見出した。以上の経緯から、Rbp26に結合するmRNAを分析することで、優先的に翻訳される遺伝子を効率的に同定することや経時的な変動を把握することが可能となり、これまで解析が困難だったエタノールによる翻訳抑制下での遺伝子発現に関して有効な実験法を確立することに成功した。また、優先的に翻訳されるBtn2の機能についても解析し、高濃度エタノールによって蓄積する変性タンパク質を隔離するdeposition siteの形成に重要な役割を担うことや、熱ショックによるBTN2の翻訳はRbp26に依存しないことを見出した。
|
Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(10 results)