2018 Fiscal Year Annual Research Report
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17H03805
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
梅田 眞郷 京都大学, 工学研究科, 教授 (10185069)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ミトコンドリア / 脂肪酸 / 輸送体 / エネルギー代謝 / ショウジョウバエ |
Outline of Annual Research Achievements |
カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ(CPT1)は、細胞質中のアシルCoAをアシルカルニチンへと変換することにより長鎖脂肪酸のミトコンドリア内への輸送を行う酵素である。CPT1はミトコンドリア内への長鎖脂肪酸の輸送および引き続くβ酸化の律速酵素として働き、エネルギー代謝制御の中心的な役割を担うことから同酵素の哺乳動物における欠損は胎生致死をもたらす。 昆虫は現存する動物種の90%以上を占め、その進化の過程で極めて多様かつ優れた生理システムを獲得して来ている。申請者らは、ミトコンドリア内への脂肪酸輸送に必須と考えられていたカルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ(CPT1)を完全欠損したショウジョウバエが、脂質・エネルギー代謝に全く異常を示さないことを見出した。この観察を契機に、CPT1経路を代替するミトコンドリアへの新たな脂肪酸輸送経路を探索するスクリーニング系を確立し、約80の候補遺伝子より輸送基質が未知のミトコンドリアトランスポーターであるSLC25-FATを同定した。 本年度、ミトコンドリア内でのSLC25-FATの局在を明らかにする目的で、ミトコンドリアマトリクスに発現させたAPEX2タンパク質によりミトコンドリア内膜タンパク質を特異的にビオチン化修飾することにより、SLC25-FATのミトコンドリア内での局在を評価した。その結果、同タンパク質はミトコンドリア内膜に存在することが明らかとなった。 さらに、CPT1を欠損したショウジョウバエ培養細胞株を樹立し、単離ミトコンドリアへの蛍光標識脂肪酸アナログの輸送測定により行なった結果、SLC25-FAT はCPT1に依存しないミトコンドリアへの脂肪酸の輸送に関わること、そしてその輸送にはミトコンドリアの正常な膜電位が必要であることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、SLC25-FATのミトコンドリア内での局在を明らかにし、さらにCPT1欠損培養細胞株を用いることにより脂肪酸輸送の基質特異性および輸送機構を明らかにすることが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年までの研究により、ショウジョウバエの分子遺伝学的手法を駆使して、カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ(CPT1)を介さずにミトコンドリア内に脂肪酸輸送を行う候補遺伝子としてSLC25-FATを同定した。昨年度の成果により、ショウジョウバエ細胞においてSLC25-FATはミトコンドリア内膜に局在し、ミトコンドリ内への脂肪酸輸送・代謝に関する予備的な知見が得られた。本年度は、 1)SLC25-FATの細胞内脂肪酸代謝における役割を明らかにすべく、SLC25-FATおよびCPT1欠損ショウジョウバエ培養細胞を用い、脂肪酸代謝を蛍光標識脂肪酸および質量分析計により詳細に解析する。 2)SLC25-FATの個体での脂肪酸代謝における役割を明らかにすべく、SLC25-FATおよびCPT1欠損遺伝子改変ショウジョウバエ個体を用いて解析を進める。具体的には、哺乳動物の肝臓・脂肪組織に相当する脂肪体および筋組織での当該遺伝子の発現抑制により個体の体重、寿命、飢餓耐性、脂質・エネルギー代謝に及ぼす影響を詳細に解析する。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Cell surface flip-flop of phosphatidylserine is critical for PIEZO1-mediated myotube formation.2018
Author(s)
Tsuchiya, M., Hara, Y., Okuda, M., Itoh, K., Nishioka, R., Shiomi, S., Nagao, K., Mori, M., Mori, Y., Ikenouchi, J., Suzuki, R., Tanaka M., Ohwada, T., Aoki, J., Kanagawa, M., Toda, T., Nagata, Y., Matsuda, M., Takayama, Y., Tominaga, M., Umeda, M.
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Journal Title
Nat. Commum.
Volume: 9
Pages: 2019
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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