2017 Fiscal Year Annual Research Report
Isolation and structure determination of chemotactic regulatory substances as basic technology for the development of new plant protection method.
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17H03812
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
夏目 雅裕 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (10201683)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 青枯病 / 走化性 / トマト / 根滲出物 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度トマトの根滲出液から単離に成功した青枯病菌に対する走化性誘引物質の構造をNMRとMS分析の結果からethyl β-glucoseideと推定し、その4種類の立体異性体を合成した。天然物と4種類の立体異性体のHPLC分析と旋光度測定を行った結果、走化性誘引物質はethyl β-D-glucoseideであると決定した。さらに、4種類の立体異性体の走化性誘引活性を測定した結果、ethyl β- D-glucoseideのみが活性を示すこと、その強さはポジティブコントロールとしてこれまで実験に用いてきたL-グルタミンの約1/30であることを明らかにした。 また、ethyl β- D-glucoseideの青枯病菌5菌株に対する走化性誘引活性を調べたところ、3菌株はこれまでバイオアッセイに用いてきたMAFF730138株と同程度の反応を示し、残り2株は応答性が弱かった。しかし、応答性の弱かった2株はグルタミンに対してもあまり誘引されなかったことから、これら2株は運動能が低い菌株であり、ethyl β-D-glucoseideの走化性誘引活性は青枯病菌の菌株に対する特異性は無いと考えられた。 ブラックマッペの根滲出液に含まれる走化性誘引物質の精製を進めた結果、DIOLシリカゲルカラムクロマトグラフィーの10% MeOH-CHCl3画分と30% MeOH-CHCl3画分に活性を見いだした。いずれの画分もTLC分析の結果、α-ナフトール-硫酸で発色する数個のスポットを与えたことから、糖を含む化合物であると考えられた。さらに、10% MeOH-CHCl3画分をHPLC分析した結果、トマト根滲出液から得られた走化性誘引物質ethyl β-glucoseideと同じ保持時間にピークを与えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験について特に困った点は無く、順調に成果をあげつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り、今年度は①ethyl β-glucoseideの作用特性解析、②ブラックマッペ根滲出液に含まれる新規走化性誘引物質の単離構造決定を中心に進める。
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