2018 Fiscal Year Annual Research Report
Nutritional Strategies to Reset Negative Epigenomic Marks Caused by Fetal Environment
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17H03815
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
加藤 久典 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 特任教授 (40211164)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | エピジェネティクス / DOHaD / タンパク質栄養 / 血圧 / 食塩感受性 / DNAメチル化 |
Outline of Annual Research Achievements |
AT2R プロモーター領域とルシフェラーゼ遺伝子を持つプラスミドを構築した後、段階的にメチル化を誘導し、Hek293t 細胞へトランスフェクションした。その後、細胞を回収し、ルシフェラーゼ活性を測定した。DNA がメチル化されるほどプロモーター活性は減少しており、AT2Rプロモーター領域のメチル化は遺伝子発現を負に制御する可能性を見出した。胎児期低タンパク質食暴露された仔ラットを用い、腎臓中の AT2R プロモーター領域の DNA メチル化状態を評価したところ、TATAbox 近傍の CpG 部位がメチル化されており、このメチル化状態とタンパク質発現量が負の相関であることが明らかとなった。 妊娠期の母獣 SHRSP ラットに低タンパク質食(9%カゼイン食:LP 群)または通常食(20%カゼイン食:CN 群)を給餌し、出生後 28 日目の授乳期雄性仔ラットの腎臓を回収した。この腎臓を、網羅的な DNA メチル化状態解析(メチローム)と遺伝子発現解析(トランスクリプトーム)に供した。その結果、メチローム解析では、解析対象となった約 3800 万 CpG 部位のうち、25%以上のメチル化変動部位だったのは約 760 万 CpG 部位で、そのうち Upstream にメチル化変動部位をもつ遺伝子数は 1712 遺伝子だった。一方、トランスクリプトーム解析では、解析対象となった約 3万プローブのうち、FDR 0.05 未満は 323 プローブ、重複を削除した遺伝子数は 200 遺伝子だった。メチローム解析とトランスクリプトーム解析に共通して変動した遺伝子は 155 遺伝子で、IPA により機能解析を行ったところ、アルドステロンシグナリングや eNOS シグナリングといった経路が変動していた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ予定通りに推移している。それに加えて、発現量が低くてmRNAの定量ができなかったAT2Rに関してはデジタルPCRによるmRNA解析を行い、成果を得ることができている。メチローム解析も適切に行えている。出生後の食事条件を変えての検討についても、サンプルの取得は出来ており、最終年度に解析を終える予定となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
妊娠中低タンパク質曝露後に出生後のタンパク質レベルを3段階に変化させたサンプルを取得しており、メチローム解析と iTRAQ 法によるプロテオーム解析を実施中で、これらのデータ間またはトランスクリプトーム解析との比較を行っていく予定である。現在本計画の2報目の論文を投稿できる段階になっているが、残りの部分についても論文化を行う。
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[Journal Article] Maternal protein restriction alters the renal ptger1 DNA methylation state in SHRSP offspring2018
Author(s)
Miyoshi, M., Sato, M., Saito, K., Otani, L., Shirahige, K., Miura, F., Ito, T., Jia, H. and Kato, H
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Journal Title
Nutrients
Volume: 10
Pages: E1436
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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