2018 Fiscal Year Annual Research Report
木部内二酸化炭素の固定による個体成長への貢献:物質生産の再評価
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17H03828
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
楢本 正明 静岡大学, 農学部, 准教授 (10507635)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水永 博己 静岡大学, 農学部, 教授 (20291552)
飯尾 淳弘 静岡大学, 農学部, 准教授 (90422740)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 幹呼吸 / 光合成 |
Outline of Annual Research Achievements |
静岡県静岡市の静岡大学農学部圃場に生育する落葉期のブナを対象に、異なる高さの非同化器官におけるクロロフィル蛍光の測定を行い、高さ別・方位別による光利用効率について解析を試みた。測定は落葉期の12月に行い 、高さ1.3, 3.5, 5.5, 7.5, 9.5, 10.0m(樹高10.4m)で実施し、9.5, 10.0mでは当年枝と1年枝を対象とした。また、各高さともに、4方位で測定を行ったが、当年枝と1年枝では方位を決めずに測定を行った。 幹では高くなるにつれて、yield値(Fv/Fm, ΔF/Fm’)が増加した。一方、当年枝のyield値は1年枝より低くなった。Fv/Fmの平均は、幹で0.265~0.626、枝ではそれぞれ0.638と0.586だった。幹ではyield値の顕著な日変化はなかったが、当年枝・1年枝では日中のyield値が低下した。また、幹でのyield値に方位による違いはなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ガス交換測定により非同化器官におけるCO2吸収能力を測定したほか、クロロフィル蛍光測定を用いて非同化器官における光利用特性について解析を試みた。また、当年枝レベルではクロロフィル含量も測定した。樹幹周囲を異なる二酸化炭素濃度に制御する苗木での成長比較試験では、ポット苗木の準備を行ったが、ポット苗の成長不良により、やや進展が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、非同化器官におけるガス交換測定を実施するほか、非同化器官におけるクロロフィル蛍光測定、クロロフィル含量の測定、外樹皮の光透過率測定を行う。また、樹幹周囲を異なる二酸化炭素濃度に制御した苗木での成長比較試験を始めるため、幹周囲の二酸化炭素濃度を制御するシステムを構築する。
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Research Products
(2 results)