2020 Fiscal Year Annual Research Report
木部内二酸化炭素の固定による個体成長への貢献:物質生産の再評価
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17H03828
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
楢本 正明 静岡大学, 農学部, 准教授 (10507635)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水永 博己 静岡大学, 農学部, 教授 (20291552)
飯尾 淳弘 静岡大学, 農学部, 准教授 (90422740)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 幹呼吸 / 光合成 / 樹液流 |
Outline of Annual Research Achievements |
静岡県静岡市の静岡大学農学部圃場に生育するブナを対象に、異なる高さの非同化器官におけるクロロフィル蛍光の測定を行い、高さ別・方位別による光利用効率について解析を試みた。また、異なる高さで光透過型のチェンバーを用いてCO2放出速度の測定を行うと同時に、樹液流速度および木部CO2濃度の測定を行った。ポットに植栽された苗木を用いて樹幹周囲を異なる二酸化炭素濃度に制御した成長比較試験を実施したが、コロナウイルス感染症の影響で十分な管理が出来ず成長比較は行えなかった。 幹では高くなるにつれて、落葉期のyield値(Fv/Fm)が増加する傾向がある一方、着葉期には差が見られなかった。枝では幹よりも高いyield値を示し、着葉期には当年枝と1年枝のyield値に大きな差はないが、落葉期には当年枝のyield値は1年枝よりも低くなった。幹におけるCO2放出速度は、樹体温度との関係においてヒステリシスが確認され、同じ温度でも日中に低下する応答が見られた。夏季の測定結果では、相対的に高い位置の幹で明らかなヒステリシスが確認されたのに対して、低い位置ではこの関係が見られず、高さによって異なる日変化を示した。幹におけるCO2放出速度は、種々要因の影響を受けており、単純に温度のみで説明できない。モデルを用いた解析では樹液流による負の影響の重要性が推測されるが、幹表面に照射された光量子束密度の影響は小さく、樹皮下の光合成による影響は小さいと予想される。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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