2017 Fiscal Year Annual Research Report
次世代型農企業のイノベーションマネジメント理論の構築に関する研究
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17H03877
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小田 滋晃 京都大学, 農学研究科, 教授 (70169308)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川崎 訓昭 京都大学, 農学研究科, 特定助教 (10633737)
長命 洋佑 九州大学, 農学研究院, 助教 (10635965)
新開 章司 福岡女子大学, 国際文理学部, 教授 (30335997)
坂本 清彦 京都大学, 農学研究科, 特定准教授 (30736666)
宮部 和幸 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (40409066)
伊庭 治彦 京都大学, 農学研究科, 准教授 (70303873)
伊藤 亮司 新潟大学, 自然科学系, 助教 (70334654)
堀田 学 県立広島大学, 生命環境学部, 准教授 (80336916)
桂 明宏 京都府立大学, 生命環境科学研究科, 准教授 (90233767) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | アントレプレナー / イノベーション / 農企業 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、自己の経営成長を図りつつ地域農業をリーディングする役割を担う農業経営を「農企業」と概念化し、その事業運営において革新(新 結合・創造的破壊)を継続して産み出す「イノベーション・マネジメント」を確立するための理論構築、さらには実践に関わる条件を明らかにすることである。上記の機能を担う農企業を概念化することは、個別農業経営と地域農業の両次元の成長・振興方向の不整合が、両次元に種々の 非効率を派生しつつあるとの現状認識に基づくものである。 研究初年度の今年の研究成果として、地域内の農業生産資源を利用することを前提とし、農業経営体を取り巻く多様なステークホルダーと良好な関係を築く条件性を明らかにすることができた。経営の飛躍を可能とする契機は、立地・自然条件、ライフヒストリー、経営の展開過程により異なるが、事例分析から抽出される共通点として、以下の点が指摘できた。第一に、アントレプレナーとしての資質と農業者精神の両立である。第二に、飛躍となる商機の把握と利用を的確に行っている点である。第三に、資金調達や生産基盤の拡大に向けた経営を取り巻く制度や文化・環境の重要性である。政府やJAが行う政策や制度を有効に活用し、飛躍的な経営発展を支える資金と人材を効果的に調達している。また、上記3点の要素がより効果的に発揮されるために、経営の強みや利点を引き出すような外部主体との連携が行われており、特に、共通の経営理念や問題を抱える主体間でネットワークを構築し、互いのブランド力を高めている点が指摘できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究遂行にあたり、多くの農業経営体・生産者の理解・協力が得られたために、スムーズな調査を実施することができた。この背景として、調査実施前より共同研究者間での密な連絡のやり取りや日程の調整、調査対象となる農業経営体との密なコンタクトを実施してきたことがあげられる。
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Strategy for Future Research Activity |
基本的な大枠としては、現在の研究計画をもとに、研究を遂行していく予定である。ただし、本研究における農企業のイノベーションマネジメントに関する現状は、日々目まぐるしいスピードで変化・発展を遂げている分野である。そのため、調査事例に関しても、最新の現場の情報を入手しながら、調査対象先を選定していくことが必要と思われるため、若干の調査地の変更が強いられる可能性がある。
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