2019 Fiscal Year Annual Research Report
生産・加工空間におけるストレス操作によるカンキツ成分制御法の確立
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17H03891
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
北村 豊 筑波大学, 生命環境系, 教授 (20246672)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
喜多 正幸 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 西日本農業研究センター, グループ長 (10343972)
粉川 美踏 筑波大学, 生命環境系, 助教 (10732539)
星 典宏 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 西日本農業研究センター, 上級研究員 (70414787)
國賀 武 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 西日本農業研究センター, 上級研究員 (80355411)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 光ストレス / カロテノイド / スパコロン / 粉砕ストレス / 熱ストレス |
Outline of Annual Research Achievements |
中山間農業の代表的果樹であるウンシュウミカンを例として,そのさらなる価値を付与することを目的に,提案者らはミカンの生産から加工の過程において与えられる種々のストレスがその成分に与える影響を明らかにして,その制御方法を確立しようとした。 まず生産空間においては,光環境ストレス制御による応答生成質の評価のため,果実の光ストレスの影響と,それに伴う機能性成分の変動の評価を行った。カンキツ(宮川早生,10月収穫)の果実表面に白色(波長300-700nm),赤色(波長700nm),青色(波長450nm),緑色(波長550nm)の光を40μmol/cm2の強度で照射した。その結果,果皮の呈色に対しては光の波長に関わらず,黄色味の着色を示すb*値(LAB表色系)の値の相違は見られなかった。一方,応答生成質の中で抗菌作用のあるクマリン,スコパロンについては,青色光照射による誘導量が最も多いことを明らかにした。 続いて加工空間においては,ミカンに対する粉砕ストレスおよび乾燥熱ストレスに対する影響の実験的解析を通じて,工学的な基礎知見を得た。具体的には,微細湿式粉砕法において,その操作条件の変化が被粉砕物(スラリ)の粒径に与える影響を解析し,供給流量やせん断速度を策定した。また,噴霧乾燥法においては,供給するスラリへの賦形剤の増加操作が粉末の収率や物性値を向上させることを明らかにした。一方,粉末の収率向上や健康機能成分の保持のためには,乾操温度や賦形剤の濃度,乳化剤の種類等についての更なる検討の必要性が示唆された。 これらの成果は,食品産業等において,果皮の機能性成分を高濃度に含むミカン全果あるいは他の機能性食材の高付加価値粉末を作製するための貴重な資料となり得る。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)