2018 Fiscal Year Annual Research Report
Identification of candidate genes of chicken economic traits
Project/Area Number |
17H03905
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
都築 政起 広島大学, 生物圏科学研究科, 教授 (70212058)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 明 名古屋大学, 生命農学研究科, 准教授 (20211724)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | ニワトリ / 経済形質 / QTL解析 / 遺伝子発現 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の最終目標は、世界に通用するような優良国産鶏をゲノム育種法により正確かつ迅速に作出することにある。ゲノム育種により優良国産鶏を作出するためには、その準備段階として、ニワトリの成長や産卵に関する諸形質(経済形質)を支配している遺伝子座さらには遺伝子そのものを明らかにすることが必須である。本研究の直接の目的は、quantitative trait loci (QTL)解析および遺伝子発現解析を行って、ニワトリの経済形質発現に関与している遺伝子座の位置および遺伝子そのものを解明することにある。 本年度は、卵関連形質(卵生産関連形質(初産日齢、産卵率など)、卵外部形質(卵重、卵サイズ、卵殻色、卵殻重、卵殻強度など)および卵内部形質(卵黄重、卵黄サイズ、卵黄色、卵白サイズなど))の経済形質データを保有している資源家系、ならびに成長関連形質(体重成長、脚長成長など)データを保有している資源家系の2つの家系に関し、restriction site associated DNA (RAD)シークエンシングを行って、QTL解析に用いるsingle nucleotide polymorphism (SNP)マーカーを開発した。卵関連形質では1456の、成長関連形質では945のマーカーを得ることができた。また、これらのSNPマーカーを用いて実際にQTL解析を行った結果、卵関連形質および成長関連形質に関し総計で約400のQTLを発見した。また、これらに加え、遺伝子発現解析に用いるF2個体の育成を行い、次年度における遺伝子発現解析の準備を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
30年度には、1.RADシ-クエンシングを行って、QTL解析に使用可能なSNPマーカーを開発し、次いでそのマーカーを用いて実際にQTL解析を遂行して、成長関連形質および卵関連形質に関与しているQTLの染色体上の位置を明らかにすること、2.このQTLの位置情報とデータベースを照合し、成長および卵関連形質に関与していると考えられる候補遺伝子を選定すること、および3.候補遺伝子の発現解析に用いるF2個体を生産すること、の3点を目的とした。これらの内、1.のSNPマーカーの開発ならびにQTLの発見に関しては、多数のマーカー開発に成功し、多数のQTLを発見することが出来た。しかし、逆に、発見されたQTLがあまりにも多数であったために、その候補遺伝子の選定までは遂行することができなかった。3.のF2個体の生産は、順調に進めることができた。以上を総合し、「おおむね順調」と判断した。
|
Strategy for Future Research Activity |
2019年度には、2018年度に行った第一義的なQTL解析をさらに深化させ、詳細な解析を行ってQTLの絞り込みを行う。その結果を用いてデータベースとの照合を行って、成長および卵関連形質を支配していると考えられる候補遺伝子の選定を行う。この選定が行えたものについては、2018年度に採取済みのF2サンプルを用いて、遺伝子発現解析を行う。発現解析の対象形質は多岐に渡るため、2018年度に引き続き、2019年度も供試用F2個体の生産を継続する。
|