2019 Fiscal Year Annual Research Report
ブタ初乳中免疫細胞とエキソソームの移行免疫における役割 健全離乳実現への基盤研究
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17H03909
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
井上 亮 京都府立大学, 生命環境科学研究科, 講師 (70443926)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾関 基行 武庫川女子大学, 生活環境学部, 准教授 (10402744)
川崎 淨教 香川大学, 農学部, 助教 (30739206)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ブタ / 初乳 / エキソソーム / 免疫細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は昨年度に確認された初乳中エキソソームによる仔ブタ白血球の分化・増殖への影響を詳細に検討するため、in vitroで仔ブタ白血球と初乳中エキソソームの共培養試験(試験1、試験2)を行った。試験1では共培養後の培養上清を試料とし、既報から選抜した細胞傷害性T (Tc) 細胞の活性化や増殖に関する3つのサイトカインの濃度測定を行った。その結果、エキソソームによりTc細胞の増殖・成熟を促すサイトカインが増加することがわかった。このため、エキソソームはある種のサイトカイン産生を誘導しTc細胞の増殖を促進すると推察される。試験2では白血球にエンドサイトーシス阻害剤を処理した後、共培養を行った。その結果、阻害剤により白血球の分化・増殖促進効果は消失した。このことから、白血球の分化・増殖促進効果には、エキソソームがエンドサイトーシスを介して受容細胞へ取り込まれる必要があることが示唆された。 また、赤色蛍光タンパク遺伝子を導入されたトランスジェニックブタを用いて初乳中細胞の移行を検証した。トランスジェニックブタの初乳を野生型の仔ブタに摂取させ1日齢の仔ブタの血液及び臓器中細胞の蛍光測定を行ったところ、回腸と脾臓で蛍光をもつ細胞が確認され、初乳中細胞が仔ブタへ移行することが示唆された。 さらに、初乳摂取による腸管組織への影響を詳細に検討したところ、生後24時間の仔ブタの小腸絨毛が著しく伸長することがわかった。最も顕著な部位では初乳未摂取仔ブタの2倍以上に伸長したことから、初乳により餌の消化・吸収効率は上がると考えられる。ブタにとって、離乳時の餌の変化による絨毛委縮は健全成育の妨げとなるため、初乳による絨毛伸長効果は健全離乳への重要な要素となり得る。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)