2019 Fiscal Year Annual Research Report
脂質分布ナノスケール解析技術確立による生体膜脂質トポロジー形成の生物学的意義解明
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17H03935
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
藤田 秋一 鹿児島大学, 農水産獣医学域獣医学系, 教授 (60282232)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 脂質 / 微細局在 / フリーズフラクチャー / 電子顕微鏡 / 急速凍結 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者らは脂質の超微局在を明らかにすることが、膜脂質の機能を解明するために必須であると考え、そのための方法開発に注力してきた。その結果、急速凍結・凍結割断レプリカ標識法(QF-FRL: Quick Freezing & Freeze-fracture Labeling)によって膜脂質を特異的に標識することが可能であることを示し、生体膜脂質の二次元的分布を定量的に解明することに成功した。申請者はこれまでに哺乳類培養細胞での脂質を中心に、その微細分布を明らかにしてきた。本研究では、酵母細胞、トキソプラズマ原虫(Toxoplasma gondii)およびマラリア原虫(Plasmodium falciparum)における脂質の微細局在について検討した。その結果、酵母細胞の細胞膜ではイノシトールリン脂質の一つであるPI(4,5)P2が細胞膜の陥入領域に集積することがわかり、さらにその前駆体であるPI(4)Pの産生はPI 4-kinaseであるPik1pおよびStt4pの両方に依存することが明らかになった。一方、T. gondiiにおいてはラフトの主成分である糖脂質のGM3が細胞膜には局在せず、細胞内のinner membrane complexの管腔側のleafletに特異的に局在することがわかった。また、P. falciparumにおいては、糖脂質GM3は細胞膜の外葉とともに内葉にも局在することがわかった。このことは、ラフトドメインが細胞膜の外葉に存在する哺乳類細胞とは異なり、T. gondiiやP. falciparumの寄生虫ではラフトドメインの局在が異なり、その運動、宿主細胞への進入および宿主細胞からの脂質の搾取においてラフトドメインが寄生虫に特異的な役割を担っていることが示唆された。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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