2019 Fiscal Year Annual Research Report
Thermo-regulation of hibernation in Japanese black bears - shivering or non-shivering? -
Project/Area Number |
17H03936
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
坪田 敏男 北海道大学, 獣医学研究院, 教授 (10207441)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 充功 北海道医療大学, リハビリテーション科学部, 准教授 (20632467)
佐鹿 万里子 北海道大学, 獣医学研究院, 助教 (30722954)
下鶴 倫人 北海道大学, 獣医学研究院, 准教授 (50507168)
MOHAMED MOUSTAFA 北海道大学, 獣医学研究院, 学術研究員 (80794023)
岡松 優子 北海道大学, 獣医学研究院, 准教授 (90527178)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | クマ / 冬眠 / 体温調節 / 褐色脂肪組織 / 白色脂肪組織 / 非ふるえ産熱 / ふるえ産熱 |
Outline of Annual Research Achievements |
ツキノワグマ(以下クマと略)は冬期に冬眠をするが、その生理機構は未だ明らかにされていない点が多い。特に、一旦冬眠に入ると中途覚醒がなく間断なく眠り続ける点と、代謝が25%まで低下するにも拘らず体温は5℃ほどしか低下しない点は他の冬眠性哺乳類の冬眠とは異なる。 本研究では、冬眠中のクマにおける体温調節機構を明らかにすることを目的にして、とくに脂肪組織を使った非ふるえ産熱に焦点を当てて研究を進めた。まず、北秋田市阿仁クマ牧場で飼育されている成熟雌および雄グマを用いて、体温および心拍数測定用データロガーを胸部皮下に埋め込み、冬眠期およびその前後の期間、体温および心拍数をモニタリングした。雌については妊娠および偽妊娠個体よりデータが得られた。その結果、冬眠前(11月下旬)に個室にクマを移動させ餌を止めると体温と心拍数は徐々に低下し、冬眠に入ったと判断された。その後、プロジェステロンの作用により約2ヶ月間高温(36-38℃)を維持し、妊娠個体の出産時期(1月下旬)を境にして31-35℃まで低下した。一方雄では、プロジェステロンの影響がないので、11月下旬になるとすぐに31-36℃に体温が下降し、冬眠に入った。心拍数は、雄雌共に11月下旬に冬眠に入ると60-100回/分から20-60回/分まで低下した。これらの結果より、冬眠時期(繁殖プロセス)によって体温と心拍数の調節機序が異なることが示唆された。 次に次に冬眠中の非ふるえ産熱機構を探究するために、冬眠期のクマから脂肪組織を採取して褐色脂肪組織の探索を行ったが、脱共役蛋白(UCP1)の発現などは確認されず、他の冬眠性哺乳類が中途覚醒時に用いる褐色脂肪組織は存在しないと考えられた。今後は白色脂肪組織を使った非ふるえ産熱の存在とその機構を明らかにする計画である。その他、冬眠中のクマの筋肉および骨機能の維持機構についても研究を進めた。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(10 results)