2020 Fiscal Year Annual Research Report
Molecular analysis of brain plasticity in diapause inducton of the silkworm
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17H03941
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
塩見 邦博 信州大学, 学術研究院繊維学系, 教授 (70324241)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
溝口 明 愛知学院大学, 教養部, 教授 (60183109)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 休眠 / 温度センサー / 時計因子 / カイコ / クワコ |
Outline of Annual Research Achievements |
カイコ (Bombyx mori) の胚休眠誘導において,母蛾の環境温度の受容から次世代卵の休眠性の決定に至る過程には休眠ホルモン (DH) の放出制御の過程で脳可塑性が見られる。そして,その脳可塑性はこれまでに知られていない「単純で効率的」な新奇のメカニズムをもつ可能性がある。このメカニズムを立証するために多種の遺伝子改変カイコを作出して,分子・細胞レベルでの詳細な動態解析を行なうとともに個体レベルでの表現型解析を行った。コウセツ系統では,卵を25℃・全暗 (25DD) に保護すれば次世代卵は休眠する。15℃・全暗 (15DD) では次世代は非休眠卵となる。これまでの結果から,キイロショウジョウバエの日周リズムの駆動に中心的な役割を果たす「コアループ時計遺伝子群 (per, tim, clk, cyc)」が休眠誘導に関わることを明らかにした。つまり,コアループ遺伝子群の KO 系統では 25DD にも関わらず非休眠卵を産卵した。また,これらの KO 系統に GABA 受容体アンタゴニストのピクロトキシン (PTX) や DH を注射すると休眠性がレスキューされ,これらの時計因子は GABA 性神経伝達の上位で作用すると考えられた。また,温度センサーである BmTRPA1 の KO 系統では,胚期の温度条件は休眠性の決定に関与せず,幼虫期の光周期に依存して休眠性が決定されることを発見した。おそらく,コウセツ系統の野生型では温度情報および BmTRPA1 の活性化シグナルと時計因子に強い繋がりがあるが, BmTRPA1 の KO 系統においては,この繋がりが解除され,カイコの祖先種のクワコ (Bombyx mandarina) やカイコの他の 2化性系統で見られるような幼虫期の光周期依存的な休眠性の決定機構が働いたと推測された。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(9 results)