2020 Fiscal Year Annual Research Report
昆虫中腸幹細胞培養系を基盤とした生理学および病理学的実験プラットフォームの構築
Project/Area Number |
17H03944
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
小林 淳 山口大学, 大学院創成科学研究科, 教授 (70242930)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東 政明 鳥取大学, 農学部, 教授 (20175871)
伊藤 雅信 京都工芸繊維大学, 応用生物学系, 教授 (60221082)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 中腸幹細胞 / カイコ / Bacillus thringiensis / Cry毒素 / トランスクリプトーム |
Outline of Annual Research Achievements |
1.各種昆虫中腸幹細胞培養技術の開発・改良 カイコ4齢眠期幼虫または吐糸終了期幼虫から中腸の幹細胞調製方法をプロトコールとして論文発表した。一人の実験者による半日程度の作業で約50~100万 cells の均一な形状の幹細胞を調製することが可能であり,市販 Grace培地のみの存在下,冷蔵庫で1~2週間は生存率7~8割を維持した状態で保存可能である。さらに,脂肪体抽出物の添加により,培養幹細胞の集塊形成と生存率の改善が認められた。 2.培養中腸細胞の生理学研究への応用 カイコ幼虫の中腸幹細胞を4 眠およびその前後(4齢2日と5齢1日)から分離回収し,発育に伴うトランスクリプトームの変化をRNAseqにより解析したところ,さまざまな遺伝子の発現変動が生じており,脱皮期に顕著に減少する遺伝子(消化に関与する遺伝子など)や,増加する遺伝子(キチン合成,クチクラ形成および脱皮ホルモンカスケードに関与する遺伝子など)が確認されたが,4齢2日目の培養中腸幹細胞へのホルモン処理では,ごく一部の遺伝子(β-tublin遺伝子や脱皮ホルモンカスケードに関わるHR3遺伝子など)以外の発現に有意な変化は検出されず,中腸幹細胞の遺伝子発現制御にはホルモン以外の分子が大きく関与している可能性が示唆された。 3.培養中腸細胞の病理学研究への応用 BTのCry毒素の作用メカニズムの解析:GFP多角体を与えたショウジョウバエ3齢幼虫を解剖した結果,多角体はショウジョウバエの消化管内部が酸性環境(pH4以下)であるために溶解しない可能性が示唆されたため,酸分泌に不可欠な中腸Copper細胞のlabial (lab)遺伝子の RNAi系統を作出し,ショウジョウバエの消化管の酸分泌の阻害を試みた。しかし、全身でのlab遺伝子ノックダウンによる幼虫期致死のため,多角体の溶解およびCry毒素の効果を検証するに至らなかった。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)
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[Book] カイコの科学2020
Author(s)
小林淳,東政明,伊藤雅信ほか,日本蚕糸学会編
Total Pages
210
Publisher
朝倉書店
ISBN
978-4254420432