2017 Fiscal Year Annual Research Report
Are species-rich grassland vegetation restorable in riverdike?
Project/Area Number |
17H03958
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山田 晋 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (30450282)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横田 樹広 東京都市大学, 環境学部, 准教授 (00416827)
三浦 直子 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (30647491)
小柳 知代 東京学芸大学, 環境教育研究センター, 講師 (80634261)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | UAVレーザ計測 / GNSS測量 / 植生高マップ / チガヤ / 優先効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
利根川堤防において,2017年8月と10月にUAVレーザ計測とGNSS測量,9月にUAV画像計測を行った。二時期のレーザデータを用いて堤防法面の植生高マップを作成し,同時期に行った植生調査データで検証を行った。その結果,調査対象とした複数の1km程度の区間において,それぞれ植生高マップを作成することができ,マップにおける植生高の高低図は,概ね現地における植生の高低の状況を反映したものとなった。また,2時期のUAVレーザ測量と植生調査による植生高のデータの間には有意な正の相関が認めれた(r=0.676, p < 0.01)。 植生復元の成否には,復元上望ましい種(ターゲット種)の定着を促進することと,望ましくない種(非ターゲット種)の定着を抑止することの双方が必要である。裸地の出現するタイミングは,裸地化した後に成立する植物群落の種構成に影響を及ぼす。望ましい植生への効率的な誘導に資する知見を得るため,河川高水敷において3月,6月,9月に創出した裸地で,その後の植生(非ターゲット種の定着状況)を追跡した。裸地の出現時期は,その後の成立植生における生活史別の出現種数や被度に有意差をもたらした。6月に裸地が形成されるとチガヤの優占化が進む一方,3月および9月に裸地が形成されると,チガヤ被度は低く,代わってセイタカアワダチソウの被度が高まった。裸地の形成時期に応じて異なる裸地形成直後の飛来種子や発芽可能な種の種構成が,こうした差異をもたらす一因と考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画時において研究1年目に計画していた外注による堤防の測量および植生復元試験の開始が順調に行えたため、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
当該研究は,リモートセンシング班と植生調査班に大別できるが,リモートセンシング班については,概ね当初計画通りの研究遂行を予定しており,30年度には,レーザデータ,ハイパースペクトルおよびRGB画像を利用した河川堤防の植生分類方法を検討する。ただし,当初想定していなかったが,国土交通省河川事務所が過去に得た河川区域の地形断面の航空機測量のデータが存在することが明らかとなったため,河川財団の山本を共同研究者に新たに招き,その所在を精査し,リモートセンシング班の得たUAVレーザデータとの精度比較を行うことで,過去データの有用性および今回のUAVレーザデータの必要性を検討する。 植生調査班については,既往データの精査から,河川堤防の成立植生を規定する要因が,土壌理化学性のみによって説明することが困難と推測されたため,河川堤防の植生分布に影響を及ぼす要因の1つとして,土壌微生物相に着目し,植生タイプや種多様性との関係を検証する。春期から夏期に,堤防での植生調査および土壌サンプリングを行い,秋期以降に土壌微生物相のDNA解析と土壌理化学性分析を行う。一方,植生復元技術の開発に関しては,昨年度中に現地試験の開始が順調に完了したため,今年度は試験地のモニタリング調査を実施する。
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Research Products
(2 results)