Research Project
植物感染性線虫の農業被害は、年間数十兆円と試算されている。本研究では、植物感染性線虫の感染機構において、線虫の誘引から植物への感染成立過程まで、幅広く、多種植物を用いてその分子メカニズムを解析する。また、その結果を利用して、農業分野への応用研究の基盤整備を行う所まで、幅広く線虫問題の解析と解決に貢献する事を目的としている。本年度は、以下の研究項目について成果を得た。1:線虫誘引・忌避物質の同定と農学的線虫対策応用研究(基礎研究・応用研究) 昨年度、NMRにより、多糖類に線虫誘引活性が有ることを見いだした。それが細胞壁の成分であるRG-Iであり、その構造について、詳細な情報を得ることが出来た。その情報から、人工的に2糖のdi-saccharideを合成した結果、その2糖で、線虫誘引活性が有ることがわかった。また、昨年度から進めているマメ科植物の根抽出物からの線虫誘引物質の同定を進めた。これまでに、この根抽出液中の線虫誘引物質は、やはり、糖であるが、RGIではない事が明らかとなった。一方、ケミカルライブラリーのスクリーニングから得られた誘引物質候補のカダベリンとその類縁体のジアミン類については、線虫誘引物質の候補としてMolecular Plant誌に掲載が決まった。2:線虫感染に関わる植物側遺伝子の分子機構の解明(基礎研究) 今年度も分子遺伝学的解析を進め、線虫のエフェクター蛋白質の植物内のターゲット蛋白質を同定し、その突然変異体の線虫感染効率が変化することも見いだした。今年度の解析により、線虫のエフェクター蛋白質の作用機構が明らかになった。3:線虫抵抗性トマトの作出とその農学的評価 今年度、ara6突然変異体のセンチュウ感染効率を評価した。その結果、野生型と、あまり変わらないことが明らかとなった。植物種により、センチュウ感染機構が異なることが明らかとなった。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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