2017 Fiscal Year Annual Research Report
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17H03986
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Medical Science |
Principal Investigator |
大竹 史明 公益財団法人東京都医学総合研究所, 生体分子先端研究分野, 主席研究員 (60447373)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土屋 光 公益財団法人東京都医学総合研究所, 生体分子先端研究分野, 研究員 (90760132)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ユビキチン / プロテアソーム |
Outline of Annual Research Achievements |
ユビキチンの多彩な機能は、ポリユビキチン鎖の構造多様性を基盤としている。そこで本研究では、近年明らかになった分岐型ユビキチン鎖に着目し、分岐型ユビキチン鎖が司るシグナル伝達機構を解明する。そのために本年度は、分岐型ユビキチン鎖形成酵素の機能解析を行った。 細胞内には複数の分岐型ユビキチン鎖形成酵素が存在する可能性が高いと考えられる。そこで、生化学的な手法により、分岐型ユビキチン鎖を形成する酵素および標的タンパク質を探索した。その結果、NEDD4型ユビキチンリガーゼITCHを見出した。ユビキチン鎖を質量分析技術により定量的に解析を行った結果、ITCHは細胞内で標的タンパク質TXNIPを分岐型ユビキチン鎖で修飾することが明らかとなった。ITCH自身はin vitroでK63ユビキチン鎖を形成することから、分岐を形成するのに必要な相互作用因子を探索した。その結果、3種のユビキチンリガーゼ(UBR5、HUWE1、UBR4)を同定した。ノックダウンによる検討の結果、これらユビキチンリガーゼがK63鎖に対してK48分岐を挿入することで、分岐型ユビキチン鎖を形成していることが示唆された。 従来、K63型ユビキチン鎖はプロテアソーム非依存的な細胞内経路を制御することが報告されていた。本研究から、K63鎖が分岐鎖形成の種として機能することで、結果的にプロテアソーム依存的なタンパク質分解を制御することが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
分岐型ユビキチン鎖形成酵素を見出し機能解析を行うことで、分岐型ユビキチン鎖の役割の一端を明らかにすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
分岐型ユビキチン鎖のさらなる細胞内機能、関連するユビキチンリガーゼについて解明していく。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Ub-ProT reveals global length and composition of protein ubiquitylation in cells.2018
Author(s)
Tsuchiya, H., Burana, D., Ohtake, F., Arai, N., Kaiho, A., Komada, M., Tanaka,K. *, and Saeki, Y.*
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Journal Title
Nature Commun
Volume: 9
Pages: 524
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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