2017 Fiscal Year Annual Research Report
植物アルカロイド由来の新規抗腫瘍薬開発に向けたシード分子の探索と創薬研究への展開
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17H03993
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
北島 満里子 千葉大学, 大学院薬学研究院, 准教授 (60195261)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 天然活性物質 / 生物活性物質の探索 / アルカロイド / 化学合成 / 構造解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. キョウチクトウ科コプシア属植物の成分探索を行い、インドールアルカロイド、ビスインドールアルカロイド類を単離した。腫瘍細胞毒性作用を有することを見出したeburnane型コプシアアルカロイド、並びに特異な骨格を有する新規コプシアアルカロイドの不斉全合成を検討した。Andranginineについて不斉全合成を達成し、Kopsia arboreaから得た天然物の絶対立体配置と光学純度を決定した。 2. 腫瘍細胞毒性作用を有することを見出したゲルセジン型ゲルセミウムアルカロイド類の全合成を検討し、目的化合物の骨格構築に必要な全炭素を有するスピロオキシインドール体を得た。ゲルセミウム属植物の成分探索を行い、インドールアルカロイド類を単離した。 3. 新規抗腫瘍性アルカロイドの発見を目指し、 薬用資源植物の成分探索を行った。アカネ科Ophiorrhiza nutansより、既知インドールアルカロイド配糖体、テトラヒドロイソキノリン配糖体を単離するとともに新規環状テトラペプチドophiorrhisine A と新規テトラヒドロイソキノリンアルカロイド7',10-dide-O-methylcephaeline を見出した。キョウチクトウ科Ervatamia 属植物より、新規インドールアルカロイド、新規ビスインドールアルカロイドを見出した。ミソハギ科Heimia salicifoliaより新規ビフェニルエーテルキノリジジンアルカロイド並びにビフェニルキノリジジンアルカロイドを見出した。得られた新規ペプチド、ビフェニルキノリジジンアルカロイド並びに抗腫瘍活性を有することが報告されているakuammiline型アルカロイドなどについて不斉全合成を検討した。取得した化合物についてヒト腫瘍細胞A549などに対する毒性作用を評価した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新規抗腫瘍性アルカロイドの発見を目指して成分探索を行い、アカネ科Ophiorrhiza nutansより新規環状テトラペプチドと新規テトラヒドロイソキノリンアルカロイドを見出し、論文として公表した。ミソハギ科Heimia salicifoliaより見出した新規キノリジジンアルカロイドについて論文として公表した。キョウチクトウ科Ervatamia 属植物より、新規インドールアルカロイド、新規ビスインドールアルカロイドを見出した。コプシア属植物から得たandranginineの不斉全合成を達成し、天然物の絶対立体配置と光学純度を決定し、論文として公表した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度に得た成果を基に、引き続き以下の研究を遂行する。 1. キョウチクトウ科コプシア属植物の詳細な成分探索を行い、新規アルカロイドの取得を目指す。腫瘍細胞毒性作用を有することを見出したコプシアアルカロイド、また、特異な骨格を有するアルカロイド、微量アルカロイド成分について不斉全合成を検討する。取得した天然物、合成化合物について腫瘍細胞に対する毒性作用を評価する。 2. 腫瘍細胞毒性作用を有することを見出したゲルセミウムアルカロイドについて大量供給法の確立のため、不斉全合成を検討する。また、ゲルセミウム属植物の詳細な成分探索を行い、新規アルカロイドの取得を目指す。取得した天然物、合成化合物について腫瘍細胞に対する毒性作用を評価する。 3. 新規抗腫瘍性アルカロイドの発見を目指し、アカネ科Ophiorrhiza属植物等の含有アルカロイドの探索を行う。また、アルカロイド成分の不斉全合成や誘導体合成を検討する。取得した化合物について腫瘍細胞に対する毒性作用を評価する。
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Research Products
(24 results)
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[Journal Article] Biphenyl Ether and Biphenyl Quinolizidine Lactone Alkaloids from Heimia salicifolia2017
Author(s)
M. Kitajima, T. Yanagisawa, M. Tsukahara, Y. Yamaguchi, N. Kogure, R. Kikura-Hanajiri, Y. Goda, O. Iida, Y. Sugimura, N. Kawahara, and H. Takayama
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Journal Title
Tetrahedron
Volume: 74
Pages: 441-452
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] キョウチクトウ科 Kopsia arborea 含有新規インドールアルカロイド Kopsiyunnanines K, L, M の構造と Andranginine の絶対立体配置2017
Author(s)
小暮紀行, 徳田涼子, 通山紫乃, 中澤麻衣子, 小山徹也, 岡本佳樹, 三森雄二, Yuqui Wu, Rong-Ping Zhang, 北島満里子, 高山廣光
Organizer
第59回天然有機化合物討論会
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