2017 Fiscal Year Annual Research Report
ユビキチン-プロテアソームシステムを標的とする天然資源由来新規抗がん剤の創製
Project/Area Number |
17H03994
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
塚本 佐知子 熊本大学, 大学院生命科学研究部(薬), 教授 (40192190)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ユビキチン-プロテアソームシステム / 天然資源 / 新規抗がん剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究代表者はこれまで、ユビキチン-プロテアソームシステム全般を標的とする化合物を探索し、多くの新規化合物を発見した。プロテアソーム阻害剤bortezomibは、プロテアソームが有する3種の触媒活性の中で特にキモトリプシン様活性を強く阻害するが、最近、他の2種の活性(トリプシン様及びカスパーゼ様)を阻害する化合物を併用すると、bortezomibの副作用が軽減すると報告された。そこで本研究では、新たにプロテアソームのトリプシン様あるいはカスパーゼ様活性を標的とする特異的阻害剤を天然資源から探索した。また、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)を活用した新規アッセイ系を開発して探索の迅速化を図り、新規化合物の発見を目指した。ユビキチン活性化酵素E1とユビキチンの相互作用を阻害する化合物を探索するために、時間分解FRET現象を用いるアッセイ系の構築を行った。まず、時間分解FRETのドナー分子としてテルビウム錯体、アクセプター分子としてフルオレセインを用いるアッセイ系を構築するために、ビオチン標識化ユビキチン、テルビウム錯体標識化アビジン、フルオレセイン標識化ユビキチンを調製した。しかし、ビオチン標識体ならびにフルオレセイン標識体の調製が困難であったので、ドナー分子としてユーロピウム錯体標識化ユビキチン、アクセプター分子としてmCardinal-ユビキチン融合タンパクを用いるアッセイ系の構築を検討した。これまでにユーロピウム錯体標識ユビキチンならびにmCardinal融合ユビキチンの調製と、溶液中における両分子間のTR-FRET現象の検出に成功している。現在E1上での両分子間のTR-FRET現象を検出するための条件を検討しており、構築したアッセイ系を用いて384ウェルプレートフォーマットでのハイスループットスクリーニングを実施する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新しいアッセイ系の構築に関しては、当初の計画で上手く進まない部分があったが、方法を改善することにより構築に成功した。今後、ハイスループットスクリーニングを実施する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、これまでに調製した蛍光標識ユビキチン分子を用いて、E1上でのユビキチン分子の相互作用を評価する試験系を構築する。また、ユビキチン結合酵素E2と蛍光標識ユビキチン分子、あるいはE1、E2およびユビキチンリガーゼE3と蛍光標識ユビキチン分子を用いて時間分解FRET現象を検出する実験条件を検討することで、E2上でのジユビキチン化阻害剤探索のアッセイ系やポリユビキチン化阻害剤探索のアッセイ系の構築が可能であると考えている。 本年度は、構築した各種アッセイ系を用いて天然資源のスクリーニングを行い、ユビキチン-プロテアソームシステムを標的とする天然物を探索する予定である。
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[Journal Article] Sulawesins A-C, Furanosesterterpene Tetronic Acids That Inhibit USP7, from a Psammocinia sp. Marine Sponge2017
Author(s)
A. H. Afifi, I. Kagiyama, A. H. El-Desoky, H. Kato, R. E. P. Mangindaan, N. J. de Voogd, N. M. Ammar, M. S. Hifnawy, S. Tsukamoto
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Journal Title
J. Nat. Prod.
Volume: 80
Pages: 2045~2050
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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