2018 Fiscal Year Annual Research Report
ユビキチン-プロテアソームシステムを標的とする天然資源由来新規抗がん剤の創製
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17H03994
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
塚本 佐知子 熊本大学, 大学院生命科学研究部(薬), 教授 (40192190)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ユビキチン-プロテアソームシステム / 天然資源 / 新規抗がん剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究代表者はこれまで、医薬シーズ探索のためユビキチン-プロテアソームシステムの各ステップを標的とする化合物を探索し、多くの新規化合物を発見した。プロテアソーム阻害剤として認可されたbortezomibをはじめとする薬剤の多くは、プロテアソームが有する3種の触媒活性の中で特にキモトリプシン様活性を強く阻害する。しかし、そのため強い副作用を示すことが報告されている。そこで、他の2種の活性(トリプシン様及びカスパーゼ様)を阻害する化合物を併用すると、bortezomibの副作用が軽減すると考えられている。そこで本研究では、新たにプロテアソームのトリプシン様あるいはカスパーゼ様活性を特異的に阻害することのできるような化合物を天然資源から探索している。また、脱ユビキチン化酵素USP7は、ユビキチンリガーゼ(E3)Mdm2の脱ユビキチン化に関与している。USP7を阻害することによりユビキチン化されたMdm2がプロテアソームにより分解されるのを促進し、その結果、がん抑制遺伝子産物p53の分解が抑制され、がん抑制作用を増強することができる。そこで、天然資源から新規骨格を有するUSP7阻害物質を探索している。さらに、免疫プロテアソームの作用を阻害する合成化合物PR-957は、自己免疫疾患や多発性骨髄腫に効果を示し、bortezomibの10分の1の量で有効であることから、bortezomibが示す副作用などが現れにくい点が高く評価されている。そこで、天然資源から新規骨格を有する阻害物質を探索している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに確立した評価系を用いて、天然資源から新規物質の探索を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、これまでに確立した評価系を用いて、天然資源から新規物質の探索を進める。
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