2019 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17H04024
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
鬼澤 道夫 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (30783352)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 守 東京医科歯科大学, 高等研究院, 特別栄誉教授 (10175127)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 炎症性腸疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
炎症性腸疾患(IBD)は、本邦での患者数が増加を続け、治療抵抗例の克服が大きな課題である。発症機序は不明であるが、遺伝的素因を背景に、食餌などの環境因子が加わり、腸管免疫の恒常性が破綻することによりIBDが発症すると考えられている。本研究では食餌や腸内細菌などの腸内環境の変化による宿主反応と腸管恒常性維持機構の解明、及びIBDの治療法開発を目的とする。近年、我々が毎日摂取する食品に遊離Dアミノ酸が含まれ、腸内細菌もDアミノ酸を産生することが明らかとなり、腸管恒常性維持機構に果たすDアミノ酸の役割について、Dセリンに着目し検討した。C57BL6野生型マウスの脾臓よりCD4陽性ナイーブT細胞をソーティングし、Rag2遺伝子欠損マウスへ移入することで慢性大腸炎モデルを作成した。同モデルへ、T細胞移入1週間前から1.5%Dセリンを自由飲水により投与したところ、非投与群では大腸炎を発症したが、Dセリン投与群では腸炎症状を認めなかった。同モデルへの1.5%Lセリン投与では腸炎抑制作用を認めなかったため、D体特異的な作用と考えられた。投与投与濃度を0%・0.5%・1.0%・1.5%で検討したところ、Dセリン濃度依存性に腸炎症状及び病理所見の抑制を認めた。また、腸炎発症にともない増加する粘膜固有層リンパ球数は、Dセリン濃度依存性に抑制された。細胞移入1週間前から移入後4週間目まで、または移入後4週間目から1.5%Dセリンを投与した際にも、それぞれ腸炎症状は抑制された。以上より、DセリンはIBDの予防法・治療法の候補になりうると推察された。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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