2018 Fiscal Year Annual Research Report
RNA metabolism-based regulation of heart function and its application for treatment of heart failure
Project/Area Number |
17H04028
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
久場 敬司 秋田大学, 医学系研究科, 教授 (10451915)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | deadenylation / CCR4-NOT / heart failure |
Outline of Annual Research Achievements |
1)デアデニレース因子の標的RNAの探索:TAC心不全モデルマウスの解析から、心不全の代償期に重要なデアデニレース因子の標的RNAを同定した。RNA-seq解析において各種デアデニレース因子の遺伝子欠損マウスでサイトカイン遺伝子のmRNAが発現上昇していたが、共通変動遺伝子を抽出することにより遺伝子Xを抽出し、RIP-qPCRによりCCR4-NOTでプルダウンされることを確認した。遺伝子Xとデアデニレース因子の二重欠損マウスを作製したところ、心肥大や線維化などの心臓のリモデリングが改善された 2)RNA poly(A)鎖分解によるエネルギー代謝制御機構の検討: Cnot1欠損細胞、Cnot7;8二重欠損細胞を新たに樹立し、poly(A)鎖長を測定するためにTAIL-seq解析を行った。Cnot1欠損、Cnot7;8二重欠損のいずれにおいても、全体的に100 nt以上の長さのpoly(A)鎖が増加していた。また、RNA poly(A)鎖分解によるアデノシン核酸の代謝フラックスの制御機構について、安定同位体(13C, 15N)ラベルのpoly(A)鎖の細胞内における代謝動態をメタボロームで解析したところ、poly(A)のアデノシンがATPに変換されていた。 3)CCR4-NOT複合体の構成因子によるRNA認識機構の解析: CCR4-NOT関連因子と会合するRNA結合蛋白(RBP)が、蛋白修飾されることを見出した。RBPノックダウンによりCNOT4欠損と同様な増殖抑制の表現型が見られたので、蛋白修飾活性の不活化変異ノックインマウスを作製・解析し、現在さらなる検討を進めている。 4)CRISPR/Cas9ライブラリースクリーニングによるCCR4-NOT制御因子の網羅的探索:CNOT1欠損あるいはCNOT3欠損細胞株にCRISPR/Cas9レンチウイルスライブラリーを遺伝子導入した。CCR4-NOT欠損による細胞死や増殖阻害に影響を及ぼすCRISPR gRNAを次世代シーケンサーでスクリーニングし、候補遺伝子を抽出している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
RNA制御に基づいた心機能調節の分子機構解明に向けて成果を上げつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
CCR4-NOTによるRNA制御機構を解明するため、前年度までに進めてきたCCR4-NOTと会合するRNA結合蛋白(RBP)の蛋白修飾活性について、その作用機構ならびに機能変化を生化学的に解析すると同時に、この蛋白修飾活性を不活化した変異マウスの解析を進める。また、Cnot1欠損細胞、Cnot7;8二重欠損細胞を用いた細胞モデルでの解析について、TAIL-seqに加え、decay-seq, 4SU-seq, RIBO-seqにより、それぞれmRNA半減期、転写効率、翻訳効率における変化を包括的に解析する。そして、動物個体レベルの解析で、心不全病態におけるデアデニレース因子の標的遺伝子の制御について、その分子機構、細胞メカニズムの詳細を合わせて解明する。また、in vivo心機能スクリーニングで見出された新規RNA制御因子の心機能調節機構の解析について、前年度に引き続き、これらの遺伝子欠損マウスについて心不全モデルで解析を進め、新規RNA制御因子による心機能調節の分子機構を解明する。さらに、培養細胞レベルのCRISPR/Cas9ライブラリースクリーニングと合わせて統合的にデータを解析する。
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Research Products
(11 results)
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[Journal Article] Pulmonary phagocyte-derived NPY controls the pathology of severe influenza virus infection.2019
Author(s)
Fujiwara S, Hoshizaki M, Ichida Y, Lex D, Kuroda E, Ishii KJ, Magi S, Okada M, Takao H, Gandou M, Imai H, Hara R, Herzog H, Yoshimura A, Okamura H, Penninger JM, Slutsky AS, Uhlig S, Kuba K, Imai Y.
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Journal Title
Nat Microbiol.
Volume: 4
Pages: 258-268.
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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