2019 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17H04029
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
廣瀬 謙造 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 教授 (00292730)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | カテコラミン / シナプス / 蛍光イメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
脳機能を制御する重要な神経伝達物質である脳内カテコラミンの時空間動態を明らかにするため、カテコラミンを可視化する蛍光プローブの開発を行った。本研究では、独自開発の多くの実績があり、強力なイメージングツールとなるハイブリッド型蛍光プローブを分子設計として採用した。ハイブリッド型蛍光プローブはリガンド結合蛋白質に蛍光色素を標識して作製するが、本研究ではリガンド結合蛋白質として標的カテコラミンに対して特異的に結合する抗体を利用することが有望であると考えた。前年度に行った1次スクリーニングでELISA陽性となった95ウェルを対象として、抗カテコラミン抗体の取得のためハイブリドーマの2次スクリーニングを行った。ドパミンを競合物として加えてELISAを行ったところ、95ウェルのうち2ウェルにおいてドパミンの濃度依存的に抗体結合の阻害が見られた。これらの2ウェルに対応する細胞培養ウェルにおいて、複数のハイブリドーマクローンが含まれている可能性があったため、限界希釈法を用いてモノクローンの選別を行い、2種類のハイブリドーマを取得した。次に、これらのハイブリドーマが産生する抗体の結合の選択性について明らかにするため、ドパミン、アドレナリン、ノルアドレナリン、または、カテコールの存在下で抗体の結合を評価するELISAを行った。いずれのハイブリドーマに由来する抗体も、アドレナリンによる抗体の結合阻害がドパミンより強く見られ、また、カテコールによる結合阻害は見られず、ノルアドレナリンによる結合阻害はドパミンとほぼ同程度であった。アドレナリンはN-メチル化されたノルアドレナリンの誘導体であり2級アミンを有するが、他のカテコラミンは1級アミンを有する。KLH-DAコンジュゲートの作製に用いたドパミン誘導体DA-SHが2級アミンであることを鑑みると、DA-SHの分子構造によりこの抗体結合の選択性がもたらされたことが示唆される。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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