2018 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝性感音難聴を来たすDIA1変異体による新たな病態(血球系異常)の機序解明
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17H04042
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
上山 健彦 神戸大学, バイオシグナル総合研究センター, 准教授 (80346254)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂口 博史 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00515223)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | DIA1 / DFNA1 |
Outline of Annual Research Achievements |
遺伝性感音難聴は、非常に高頻度な遺伝性疾患である(出生率: 1/1000)。また、後天性難聴(老人性難聴など)患者は、国内で約1500万人と驚く程多いにも拘らず、体外での研究の困難さ(微細構造を持つ巧妙で高度な極性感覚器)も加わり、治療法開発が進んでいない。申請者は、常染色体優性遺伝性感音難聴1(DFNA1) の新規遺伝子変異及び患者を同定し、マウスモデルを作製、世界で初めてDFNA1の病態解明に成功した (EMBO Mol Med, 2016)。更に、新たにこのマウスと患者が、血球系異常を呈する事を発見した。本研究では、モデルマウスを用いて、DFNA1に付随して起こる全身病態と難聴発症機序の詳細解明を目指している。更に、作製マウスを感音難聴モデルとして用いることで、感音難聴の新規治療法開発に繋げることを目標とする。 本年度、 1. 新規DIA1変異体発現TGマウスに音響暴露負荷を行い、聴力・有毛細胞の脆弱性を調べ、有毛細胞内のアクチン代謝障害の後天性負荷による影響(増悪)を明らかにした。 2. 新規DIA1変異体を発現するKIマウスを用いて、新規DIA1変異体の蝸牛における発現細胞と細胞内局在を明らかにし、DFNA1の病態メカニズムを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
作製した新規DIA1変異体を発現するKIマウスを用いて、新規DIA1変異体の蝸牛における局在及び細胞内局在を明らかにした。今後は、まず、このKIマウスの内耳及び血小板における新規DIA1変異体の発現程度を解析した後に、血小板におけるの機能発現メカニズムを明らかにして行く。
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Strategy for Future Research Activity |
1. 新規DIA1変異体を発現するKIマウスを用いて、血球系異常(血小板減少、白血球減少)が生じるのかを解明する。
2. 上記のKIマウスから骨髄から採取した(もしくは、肝臓由来細胞の分化誘導により得た)血小板前駆細胞の細胞質分裂や細胞質突起の機序を持続的に観察することにより、異常血小板の出現機序を解明する。
4. 新規DIA1変異体患者(2世代にまたがる6家系を把握)の経時的な血液検査解析により、活性化型DIA1変異体によって引き起こされる血球系異常の病態・予後(進行性?、血血球系の発現時期など)を明らかにする 。更には、難聴・血球系異常以外の異常(表現型)とその原因を、前記の追跡患者とKIマウスを用いて解明する。
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Research Products
(4 results)