2019 Fiscal Year Annual Research Report
パーキンソン病の包括的ゲノム解析による遺伝背景解明と応用
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17H04056
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐竹 渉 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (50467594)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永井 義隆 大阪大学, 医学系研究科, 寄附講座教授 (60335354)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | パーキンソン病 |
Outline of Annual Research Achievements |
パーキンソン病は1本邦に15万人の患者がいる主要な神経難病であり、人生の中~晩年期に運動障害症状を主症状として認知症などを併発する疾患である。複数の治療薬は存在するが疾患の進行を修飾できる確実な疾患修飾薬は存在しない。研究代表者は、これまで患者対照約2万人をもちいたパーキンソン病のSNPによるゲノムワイド関連解析(SNP-GWAS)を行い、SNCA, LRRK2, PARK16, BST1といったパーキンソン病の疾患リスク遺伝子を同定してきた。また、全エクソーム解読による関連解析を行うなど、パーキンソン病(PD)の大規模ゲノム解析を系統だって行っている。本研究では、この研究の流れをさらに進展し、さらなるパーキンソン病遺伝子を発見する。細胞およびin vivoモデル等をもちいて、パーキンソン病遺伝子の分子病態を解明し、パーキンソン病の疾患修飾薬の開発を目指す。パーキンソン病ゲノムデータを取得し、遺伝統計的に解析を行った。さらに、ゲノムデータとデータベースを活用した、Drug repositioning創薬により、パーキンソン病の疾患修飾薬候補をリストした。LDHアッセイなどの細胞実験およびMPTPモデル動物での実験により、パーキンソン病遺伝子RIT2とタンパク-タンパク相互作用をもつBRAFに対し作用するメラノーマ薬Dabrafenibが、神経保護作用をもつことを発見し、論文発表と特許の取得を行った。また、SHSY5Y/HEK293といった通常細胞での病態解析にくわえ、パーキンソン病遺伝子のリスクSNPをゲノム編集技術によりiPS細胞へ導入した細胞株を樹立した。さらに、パーキンソン病遺伝子のショウジョウバエモデルを樹立し、その表現型を観察した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ渦のため一定の遅延があったものの、成果としてはおおむね順調に進展しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
樹立したパーキンソン病遺伝子のショウジョウバエモデルの表現型をより詳細に観察し、パーキンソン遺伝子相互作用を検討する。
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