2017 Fiscal Year Annual Research Report
核内RNAウイルスの認識と制御に関わるDNA損傷応答機構の解明
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17H04083
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
朝長 啓造 京都大学, ウイルス・再生医科学研究所, 教授 (10301920)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | RNAウイルス / 細胞核 / DNA損傷 |
Outline of Annual Research Achievements |
ウイルス感染に対する自然免疫応答は、宿主細胞に感染したウイルスを細胞内のセンサー分子により認識することで開始される。本研究は、DNA 損傷応答機構による核内RNA ウイルスの認識と制御の分子メカニズムを解明し、新しい抗ウイルス戦略を構築することを目的に遂行された。平成29年度は、これまでにボルナ病ウイルスの複製への関与が示唆されている宿主因子であるHMGB1、IFI16ならびにRBMXがどのように協調して、核内でのボルナ病ウイルス認識に関与しているを明らかにするために、ボルナ病ウイルス感染細胞を用いて、DNA損傷センサー分子のノックダウンを行った。その結果、IFI16のノックダウンによりボルナ病ウイルスの複製が上昇することが示され、HMGB1を介してIFI16が核内でのウイルス感染を認識していることが示唆された。また、核内でのボルナ病ウイルスの複製場にDNA損傷に関与するDNA-PKが共局在することも明らかにした。また、DNA-PK阻害剤により、ボルナ病ウイルスの複製効率が上昇することも明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画に従い、DNA損傷に関与する宿主因子であるHMGB1、IFI16、DNA-PKのボルナ病ウイルスの複製に関与する役割を明らかにした。その結果に基づき、現在論文の執筆を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、核内におけるボルナ病ウイルス複製に関して、その他のDNA損傷因子であるKu70/80の関与を明らかにしていく。既に、連携研究員の小池より、Ku70ノックダウン細胞を入手しており、この細胞を用いてボルナ病ウイルスの感染を行い、その関与を分子レベルで突き止める。
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