2017 Fiscal Year Annual Research Report
Antiviral activity of amodiaquine derivatives against SFTSV
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17H04084
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
馬場 昌範 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (70181039)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西條 政幸 国立感染症研究所, ウイルス第一部, 部長 (50300926)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | SFTSV / 抗ウイルス薬 / アモジアキン |
Outline of Annual Research Achievements |
平成 28 年度までの研究により,九州南部において多発する死亡率の高いウイルス感染症である重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の患者から,原因ウイルスである SFTSV を分離し,抗ウイルスアッセイ系を確立した。さらにそれを用いて,種々の薬剤の抗 SFTSV 効果を検討したところ,アモジアキンに選択的な抗ウイルス効果を認めた。そこで,平成 29 年度の本研究では,研究代表者が所持する約 100 種類のアモジアキン誘導体について,それらの Vero 細胞における抗 SFTSV 効果について検討した。その結果,リードとなったアモジアキンと比較して,抗ウイルス活性が 10 倍程度高い新規誘導体(# 90)を同定することに成功した。# 90 および対照として用いたファビピラビルの 50% 有効濃度は,それぞれ 2.22 ± 0.28 および 3.94 ± 0.67 μM であった。一方,50% 細胞毒性濃度は何れの薬剤も > 50 μM であった。以上のことから,# 90 はファビピラビルと同等かそれ以上の抗 SFTSV 効果を有していると思われた。なお,リード化合物であるアモジアキンの 50% 有効濃度は 20 μM 前後であった。また,研究分担者が国立感染症研究所で保有している Vero 細胞と SFTSV 分離株を用いて,アモジアキン誘導体の抗 SFTSV 効果を検証したところ,アモジアキンおよび #90 の 50% 毒性濃度と 50% 有効濃度から算出した選択指数(SI)は、それぞれ 2.39 および 20.8 であったことから,# 90 の選択的な抗 SFTSV 効果が裏付けられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究初年度の目標であるリード化合物(アモジアキン)よりも,抗ウイルス活性の高い誘導体(# 90)の同定に成功した。一方で,# 90 の同定が昨年度後半になったため,当初の計画に記載した,作用機序の同定や in vivo 活性試験などが未完了であり,平成 30 年度に行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究代表者は,in vitro 試験で評価を行なった低分子化合物のなかで,最も有望と考えられた # 90 について,その抗 SFTSV 効果の作用機序や他剤(例えばファビピラビル)との併用効果について検討するとともに,可能ならば,薬剤耐性ウイルスの誘導を行う予定である。また,研究分担者は # 90 について,IFNAR-KO マウスを用いた in vivo 試験を行ない,# 90 が SFTS の治療薬剤になりうるかについて評価する。また,in vivo 試験のためには,比較的大量の薬剤を必要とするので,委託合成も視野に入れた薬剤の入手方法を併せて検討する。
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Research Products
(4 results)