2019 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of T-independent IgA class switch machinery
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17H04089
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
長谷 耕二 慶應義塾大学, 薬学部(芝共立), 教授 (20359714)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | IgA / 酪酸 / 腸内細菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒトの腸管は常に食餌由来の雑菌や大量の常在微生物に暴露されており、個体防御のための免疫・バリア機能が備わっている。IgA抗体は粘膜面に分泌され、病原体に対する防御に主要な役割を果たしている。さらに、IgAは腸内細菌叢の菌種組成の制御にも重要と考えられる。腸管の粘膜固有層では、濾胞性ヘルパーT細胞(Tfh細胞)が介在することなくIgAへのクラススイッチが誘導されるT細胞非依存的IgAクラススイッチと呼ばれる仕組みが存在するが、その詳細な誘導メカニズムは分かっていない。 申請者は昨年度までに、腸内細菌由来の酪酸がT細胞非依存的IgAの誘導に重要な役割を果たすことを見出している。そこで、本研究では酪酸によるIgA誘導機構とその免疫学的意義の解明を試みた。酪酸はマウス由来のB細胞と樹状細胞の共培養系においてIgA のクラススイッチを誘導したが、ストローマ細胞とB細胞の共培養系やB細胞の単培養系では効果を発揮しなかった。これより酪酸は樹状細胞に作用し、間接的にIgAのクラススイッチを誘導することが判明した。そのメカニズムを検討したところ、酪酸は樹状細胞のレチノイン酸および活性化TGF-β産生を高めることが明らかとなった。これらの因子の誘導には、酪酸によるGpr109aおよびGpr41の活性化、ならびに、ヒストンアセチル化酵素阻害活性が必要であることが存在した。さらに、酪酸によって誘導されたIgAは炎症下における腸内細菌の全身移行を抑制することが判明した。また酪酸はヒト由来の樹状細胞およびB細胞の共培養系においてもIgAのクラススイッチを誘導することが判明した。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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