2018 Fiscal Year Annual Research Report
うつ不安の患者登録サイトでの費用対効果見える化とStepped Careの誘導
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17H04091
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
清水 栄司 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (00292699)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村松 公美子 新潟青陵大学, 福祉心理学部, 教授 (60339950)
吉永 尚紀 宮崎大学, テニュアトラック推進機構, 講師 (80633635)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 認知行動療法 / うつ病 / 不安症 / 不眠 |
Outline of Annual Research Achievements |
うつ不安の患者登録サイトでの費用対効果見える化のために、患者がうつ、不安、不眠などの症状を自分で管理できるように、通院時に、うつ(PHQ-9)、不安(GAD-7)および QOL(EQ-5D) に関する尺度スコアと医療費を入力する患者情報レジストリーサイトを開発し、医師側、患者側、双方からリクルートする体制を整えた。また、Stepped Careへ誘導する、低強度(low-intensity)のセルフヘルプの認知行動療法として、特に不眠症状のみを有する軽症の患者に対して、イン ターネット・セルフヘルプ認知行動療法のプログラムが有効であることを臨床試験により明らかにして、国際雑誌に公表した。セルフヘルプ認知行動療法のプログラムは、自宅にいながら自分で認知行動療法を実践することが可能で、 毎日20分程度、インターネットで睡眠日誌をつけ、思考や行動を見直すプログラムを6週間実践する臨床試験の結果、通常治療単独群(不眠症や睡眠薬についての心理教育が提供されるメールマガジンのみ)に比べ、通常治療にインターネット認知行動療法を併用する群の方が 45%の患者において不眠症状の改善が認められた。また、不眠症状の治療をインターネット認知行動療法の形で受けることを好むかについてのオンライン調査研究を600人(不眠症状のない200人、不眠症状があるが、薬物療法を受けていない200人、不眠症状があり、薬物療法を受けている200人)に行ったところ、57.2% が薬物療法よりも認知行動療法を好み、47.0% が対面での認知行動療法よりもインターネット認知行動療法を好むという結果であった。以上から、Stepped Careとして、これまでの薬物療法や高強度(high-intensity)の対面での個人認知行動療法以外の治療の選択肢に対する、社会的なニーズが十分にあり、通常治療より有効性も高いことが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
患者が症状の管理のために、自分で毎回、うつ・不安および QOL に関する尺度スコアと医療費を入力する患者情報レジストリーサイトを開発し、医師側、患者側、双方からリクルートする体制を整えたが、不眠症状を加え、また、iOSとAndroid用のアプリ形式での開発に予想以上に時間を要したため、計画がやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成31年度計画の低強度(low-intensity)のセルフヘルプの認知行動療法を、これまでの薬物療法や高強度(high-intensity)の対面での個人認知行動療法以外の治療の選択肢として用意し、提案する研究計画については、医師、看護師、薬剤師等と連携しながら、推進できるように、人材養成を含めたネットーワーク協力体制づくりを進め、これまでの計画の遅れを取り戻し、研究を推進していく予定である。
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