2017 Fiscal Year Annual Research Report
個別化医療における悪性腫瘍補助療法に対する費用対効果モデルの確立
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17H04093
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
石川 卓 新潟大学, 医歯学総合病院, 准教授 (70586940)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤澤 宏平 新潟大学, 医歯学総合病院, 教授 (10175771)
齋藤 翔太 新潟医療福祉大学, 医療経営管理学部, 助教 (60739465)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 消化器癌 / 費用対効果分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
外科的切除だけでは根治率の低い悪性腫瘍に対して、生存効果に関するエビデンスに基づき、化学療法薬や分子標的治療薬を用いた補助療法が行われている。補助療法の対象設定は、ゲノム情報・癌関連遺伝子情報などを含む多様な情報を活用し、より有効と思われる対象に絞ることが患者の身体的にも医療経済的にも必要であるが、現状は十分な個別化医療が行われているとは言い難い。我々が過去に行った費用対効果研究を基に、悪性腫瘍の補助療法に最適化したモデルを作成して費用対効果分析を行い、その結果から、現行の補助療法の妥当性を検証するとともに、個別化医療の経済的評価における新手法を開発することを本研究の目的としている。 我々の先行研究として、共同研究者が胃癌検診におけるABC検診の費用対効果に関する研究を投稿した(Eur J Health Econ 19(4):545-555,2018)。上部消化管内視鏡による検診と、ピロリ菌抗原と血清ペプシノーゲン検査を併用するABC法との費用対効果をマルコフモデルによって比較検討したが、ABC検診は費用効果の高い方法であると結論付けることができた。補助療法の有無を検討する本研究は生存期間、腫瘍の再発回避をアウトカムとするため、この先行研究で用いた手法の応用が可能と考えられる。これを踏まえて費用対効果分析の手法に関する具体的な方法論を検討し、まずは胃癌の術後補助化学療法と消化管間質腫瘍の術後補助療法での費用対効果のモデル構築を行い、収集の必要な項目の選定を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
方法論の検討に留まっており、予定していたデータ収集を開始できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
分析に使用するデータとして、1)各腫瘍に関する疫学データ、2)各腫瘍の経過観察と補助療法に関する費用のデータ、3)インデックス型尺度によるQOL(生活の質)のデータを収集し、 費用対効果の基本分析を実施する。基本分析としては「手術単独治療で経過観察を行う群」と「術後に補助化学療法を行う群」で生涯医療費や生存年数を求め、費用効果分析(Cost-effectiveness analysis:CEA)および費用効用分析(Cost-utility analysis:CUA)を行う。
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Research Products
(1 results)