2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development and application of selective analytical method for quinones and their derivatives besed on the detection of quinone specific chemiluminescence
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17H04112
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
黒田 直敬 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(薬学系), 教授 (50234612)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸川 直哉 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(薬学系), 准教授 (90336181)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | キノン / キノン修飾体 / メナジオン / 化学発光 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、申請者らが独自に見出したキノン類の高感度・選択的な化学発光 (CL) 反応に基づくキノンとその修飾体の同時解析法を確立し、それらの種類や存在を解明するとともに、生体影響を評価し、バイオマーカーとしての可能性を探索する。前年度の検討において、生体内のキノン修飾体の定量を目的とする HPLC システムの構築には逆相系の分離モードは適していないことが示唆された。そこで本年度は、イオン対クロマトグラフィーや親水性相互作用クロマトグラフィーといった逆相系とは異なる分離モードによる分離条件の検討を行った。このうち、テトラブチルアンモニウムブロミド添加によるイオン対クロマトグラフィーを用いることにより、キノン修飾体を HPLC カラムに保持させることができ、さらにカラムからの溶出液を化学発光試薬と混合することによりキノン修飾体を化学発光ピークとして検出することに成功した。そこで、実際にメナジオンを腹腔内投与したラットの血液について構築した HPLC システムにより分析したところ、グルタチオン-メナジオン修飾体をはじめとするキノン修飾体のピークが検出された。また、チオール修飾体以外にもキノン修飾体に由来すると考えられるピークがいくつか検出された。そこで、これらのピークがどのような修飾体に由来するかを同定するために、これらのピーク画分を分取して質量分析により解析した。しかしながら、血液中の対象物質が極めて微量なため、今回の検討ではこれらの分画中から明確な分子イオンピークを観察することができなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
キノン修飾体の HPLC-化学発光検出システムを構築し、実際にキノンを投与したラットの血液からキノン修飾体を検出することができた。しかしながら、生体内で生成する未知のキノン修飾体の同定までは至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、HPLC システムならびに質量分析法の更なる改良を試みてラットの血液中に見出された未知のキノン修飾体の構造の同定を進めていく。さらに、メナジオンに加えて、カテコールキノンやエストロゲンキノンといった生体内で発生するとされるキノンの標品を合成し、これらのキノン由来の修飾体の解析を行う予定である。
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Research Products
(16 results)