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2018 Fiscal Year Annual Research Report

C型肝炎に対する抗ウイルス治療後の予後に関する分析疫学研究

Research Project

Project/Area Number 17H04124
Research InstitutionOsaka City University

Principal Investigator

大藤 さとこ  大阪市立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (70433290)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 田守 昭博  大阪市立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (30291595)
福島 若葉  大阪市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (70420734)
久保 正二  大阪市立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (80221224)
近藤 亨子  大阪市立大学, 医学部・附属病院運営本部, 技術職員 (80420727)
伊藤 一弥  大阪市立大学, 大学院医学研究科, 助教 (90768136)
Project Period (FY) 2017-04-01 – 2020-03-31
KeywordsC型肝炎 / SVR / 予後 / 疫学 / 肝臓学
Outline of Annual Research Achievements

【具体的内容】
本研究の目的は、C型肝炎ウイルスの除去(SVR)が得られた患者を対象に、①生活習慣の実態を把握し、②患者の予後に関連する因子を検討することである。平成30年度は、この目的を達成するために、「現時点におけるSVR症例」を対象に、アンケート調査を行い、SVR時の生活習慣の実態を検討した。また、SVR症例のうち「現時点で肝細胞がん」を有する者を同定し、「現時点での肝細胞がん」に対する「過去の生活習慣」の影響を検討した(後ろ向きコーホート研究)。
1.対象者の特性:登録されたSVR症例は203人、うち男性は88人(43%)、SVR時の年齢(中央値)は62歳であり、SVRから現時点までの期間(中央値)は3年であった。SVR時の喫煙習慣で禁煙者は56人(28%)、喫煙者は40人(20%)、飲酒習慣に関しては断酒者40人(20%)、飲酒者103人(51%)であった。
2.肝細胞がんの関連因子:SVR後に肝細胞がんを発生していた患者は18人(9%)であった。男性、SVR時の年齢が高齢、SVR前のAPRI scoreが1点以上、胃・十二指腸潰瘍の既往、SVR時の喫煙者、SVRまでに断酒した者では、SVR後の肝細胞がんの発生が有意に多かった。
【意義、重要性等】
近年の抗ウイルス剤により、C型慢性肝疾患患者の90%以上でSVRが得られるようになったが、本研究の結果、SVR後に肝細胞がんを発症する者が存在することが明らかとなった。肝細胞がんの発症リスクが高い者(男性、高齢、肝線維化、喫煙、飲酒)では、SVR後も定期的なスクリーニング検査を受けることの重要性を示唆している。また、胃・十二指腸潰瘍の既往と肝細胞がんの発症との関連は、そのメカニズムとして、ピロリ菌感染の関与が考えられ、肝細胞がん発症の予防対策に資する可能性がある。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

平成29年度には既存コーホートを用いた前向きコーホート研究を行い、平成30年度には現時点でのSVR症例を対象とした後ろ向きコーホート研究を実施した。いずれの調査も、調査書式の作成、倫理審査の承認、病院診療録の検索、データ入力、データ解析の各過程において順調に進めることができた。また、両調査において、肝細胞がんの発生や肝硬変への進展に対して、既知の関連因子が検出されていることから、調査の妥当性が示唆される。最終年度での結果の公表に向けて、論文化に着手する準備を十分に整えることができた。

Strategy for Future Research Activity

平成29年に実施した既存コーホートを用いた前向きコーホート研究、および平成30年度に実施した現時点でのSVR症例を対象とした後ろ向きコーホート研究の結果、SVR後に肝細胞がんを発症する者が存在することが明らかとなった。また、既に肝細胞がんのリスク因子として疑われている要因(男性、高齢、肝線維化、喫煙、飲酒)のみならず、SVR症例では「胃・十二指腸潰瘍の既往」という新たなリスク因子の存在が示唆された。
「胃・十二指腸潰瘍の既往」と「肝細胞がん」との関連は、そのメカニズムとして「ピロリ菌感染」と肝細胞がん発症との関連を示唆している可能性が考えられるため、平成31年度には、保存血清を用いて、ピロリ菌抗体を測定し、検証していく予定である。また、これと並行して、前向きコーホート研究および後ろ向きコーホート研究の多変量解析を進めて、結果の妥当性を確認する。前向きコーホート研究および後ろ向きコーホート研究といった異なる研究デザインにより同内容を検討することで、SVR患者における肝硬変・肝細胞がんのリスク因子・予防因子について、堅固な結果を提示することが可能である。特に、両調査で堅固な結果が得られた内容については、結果を論文化し、研究成果を広く公表していく予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2018

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] C型肝炎に対する抗ウイルス治療後の予後に影響する要因2018

    • Author(s)
      大藤 さとこ、松浦 知香、近藤 亨子、伊藤 一弥、福島 若葉
    • Organizer
      第77回日本公衆衛生学会総会

URL: 

Published: 2019-12-27  

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