2018 Fiscal Year Annual Research Report
Practical application of biomonitoring method for understanding the exposure of pyrethroid for home use
Project/Area Number |
17H04132
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
上山 純 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 准教授 (00397465)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | ピレスロイド系殺虫剤 / 尿中代謝物 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は、東京、名古屋、大阪、福岡で実施された一般健康診断でリクルートした合計2500名からの殺虫剤使用に関するアンケート調査と尿サンプルの回収を終了した。それに加えて、岐阜大学から分与された4から6歳児の尿サンプル(2006, 2011, 2015年に収集)と岡崎市の3歳児検診で得られた尿サンプルを対象として、前年度に確立した尿中殺虫剤代謝物測定法を用いて約2000検体の測定を実施した。測定対象は新規ピレスロイド系(PYR)殺虫剤代謝物5種(2,3,5,6-tetrafluoro-1,4-benzenedimethanol; HOCH2-FB-Al、2,3,5,6-tetrafluorobenzyl alcohol; FB-Alなど)およびその他PYR代謝物4種(trans-chrysanthemumdicarboxylic acid; trans-CDCA、3PBAなど)である。小児の尿中代謝物測定結果より、新規PYR代謝物の尿中濃度は経年的に増加傾向にあり、新規PYRの曝露レベルの増加が示唆されたことはPYR系殺虫剤曝露のリスク管理の発展に貴重な情報となる。 一般家庭におけるPYR濃度をアクティブサンプラーおよびパッシブサンプラーで測定する方法を確立し、一般住宅および人工気象室を用いた殺虫剤使用時の殺虫剤濃度測定とその曝露量との関係について予備的に調査し、現在は本調査に向けて準備している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究協力者による検体収集作業がスムースに進み、検体分析体制も堅実に構築され円滑に運営されていることが大きな要因である。また、人工気象室を用いて夏場の気象条件を再現できるようになったため、一定のデータを得ることができるようになったことも順調に研究が進んでいる要因となっている。
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究計画の最終年度は計画通りに進める予定であるが、研究結果の解析と社会への還元をスピード感をもって実施するために、統計解析に特化した研究協力者を得ること、衛生学、環境学、毒性学の領域での成果の発表を研究協力者で分担することを予定している。
|