2018 Fiscal Year Annual Research Report
Establishment to differentiate an estimateing method using genome-wide repeat sequences between Japanese and human populations near Japan
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17H04148
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山本 敏充 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (50260592)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 反復配列 / Alu配列 / Short tandem repeats / 日本人 / 韓族 / 識別法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究計画のうち、新規マーカーとしてターゲットとしている反復配列のうち分散型のAlu配列について、当初はレトロトランスポゾンディスプレイ法によってのみ、新規のAlu配列を、日本人と韓国人(韓族)において探索することを、生命倫理審査委員会に申請する予定をしていた。しかしながら、その後、東京大学人類遺伝学研究室では、日本人約400人及び韓国人約90人の全ゲノム塩基配列データから、日本人で約5000箇所と韓国人で約3000箇所のAlu挿入部位を検出し、その挿入箇所データの提供が可能であるとの情報を得た。これらの箇所は、in silico(コンピュータ解析のみ)のデータであるので、実際にどれくらい精度があるか評価する。もし、精度の高いデータであるならば、当初の予定した計画に、このデータを使用することが可能となり、このデータ使用を含めて生命倫理審査委員会へ申請した方が、より効率的・効果的であると考えた。 そこで、日本人8名のDNA試料を用いて、予備的にその挿入箇所データの評価を行った。選出されたAluYa5及びAluYb8サブファミリーの各40部位のうち、挿入予想部位前後100 bpに特異的な配列が存在しなかった部位を除く、それぞれ37及び38部位について、プライマー設計が可能であった。そのうち、各35部位において、Alu配列の挿入が確認されたので、これらの挿入箇所データの精度は非常に高いと評価することができた。従って、日本人と韓族で比較する際に、このデータも利用することが可能であると判断されたので、このデータ解析も含めて生命倫理審査委員会に申請することとした。 また、新規Alu探索法であるレトロトランスポゾンディスプレイ法を、承認後実験が行えるように、機器・試薬等の準備を行った。 このように、当初の計画の内容を一部再々修正して、生命倫理審査委員会へ申請し、現在修正中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成29年度のSTR解析のための研究協力体制づくりに時間を要し、また、平成30年度は、日本人と韓国人の全ゲノム塩基配列データから、両ヒト集団を識別可能なAlu挿入箇所データを利用するか否かを検討したことにより、生命倫理審査委員会への申請が遅れているため、一見して非常に遅れているように感じられる。しかしながら、このデータ使用は、非常に信頼できるものであると実験的に評価したため、当初計画していた、分散型反復配列のAlu配列を新規に検出するための方法である、レトロトランスポゾンディスプレイ法により今後得られるデータに加えて、さらに効率的に日本人と韓国人とを識別できるAlu挿入箇所を選択することが可能になった。また、このデータを評価しながらも、実際に多検体からレトロトランスポゾンディスプレイ法を嫉視するための、デザインや機器・試薬等の購入の現実的な準備を整えた。 さらに、約1000人の全ゲノム塩基配列データベースをもつ研究機関とも、多型的STRマーカーの選出及びマルチプレックス判定法の開発という点で、協力を続けており、今後この機関とも連携できる可能性が高くなった。。 従って、全体的にみて、やや遅れていると考えるのが、妥当であると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
効率的な研究方法の出現により、研究方法の変更やその研究体制の確立のために申請が遅れていた、名古屋大学医学部倫理審査委員会での承認を得る。 日本人のDNA試料については、既に法医・生命倫理学研究室で保有している非連結匿名化試料のうち質の高いDNA試料を100検体選択する。韓国人(韓族)のDNA試料については、研究協力者のソウル国立大学に依頼して、ソウル在住の韓国人(韓族)の血液から抽出されたDNA試料の提供を受ける。 分散型反復配列であるAlu配列に関しては、数例のDNA試料からレトロポゾンディスプレイ法を行い、塩基配列決定による特異的増幅の確認後、各個人特異的配列を付加したプライマーを用いて、日本人及び韓国人のDNA試料100検体について、レトロポゾンディスプレイ法を行う。次世代シーケンサMiSeqにより塩基配列を決定し、各個人のゲノム上でのAlu配列の挿入部位を決定する。また、東京大学人類遺伝学研究室より提供された、日本人及び韓国人の全ゲノム塩基配列解析データよりin silico解析で得られた、各集団におけるAlu挿入部位のデータを用いて、集団ごとにAlu挿入部位を比較して、個体特異的部位、各集団共通部位、各集団特異的部位を選択する。 縦列反復配列のSTRsに関しては、同様に日本人及び韓国人のDNA試料を用いて、一方のプライマーに各個人特異的配列を付加したプライマーを、250座位の座位ごとに用意し、これらを混合後、PCR増幅を行い、次世代シーケンサMiSeqによる塩基配列決定解析を受託会社に委託する。各個人の塩基配列から得られた型判定結果から、集団遺伝学的解析を行い、両集団で異質性の高いSTR座位を選択後、判別可能なカテゴリー分析あるいは判別分析について検討する。 できれば、東北大学のゲノムバンクと共同研究契約を締結後、それらのうち日本人で識別力の高いSTRs座位を選択する。
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Research Products
(6 results)