2019 Fiscal Year Annual Research Report
新規免疫学的バイオマーカーを用いた画期的免疫チェックポイント阻害治療の開発
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17H04184
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
各務 博 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (30418686)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
萩原 弘一 自治医科大学, 医学部, 教授 (00240705)
石田 博徳 埼玉医科大学, 医学部, 准教授 (70274587)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | CD62LlowCD4 T細胞 / 放射線治療 / 免疫チェックポイント阻害薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
既治療肺癌に対するニボルマブ治療効果を解析した結果をCancer Immunology Researchに発表した。CD4 T細胞におけるCD62Llow細胞割合と制御性T細胞割合を用いた効果予測式は、短期的効果である奏効・非奏効のみならず無増悪生存期間と良好な正の相関関係を示し、長期効果予測が可能であることが判明した。多施設共同研究においても良好検体を用いることで効果予測が可能であることを2019ESMOで発表した。なお、以上の結果については、公表前に特許出願を行っている。 抗腫瘍効果と強く相関するCD62Llow CD4 T細胞の機能を解析する目的で、T細胞シグナルアレイを行い、細胞膜から核内に移行するシグナルを網羅的に解析することに成功した。 また、single cell RNAseq解析を行い、ナイーブ分画、セントラルメモリー分画とCD62Llow CD4 T細胞分画における遺伝子発現の比較解析、TCRレパトア解析を行った。MHC classⅡ拘束性の新規ネオ抗原探索目的の超高感度質量分析を2020年に予定している。 PD-L1 TPS≧50%肺癌に対する初回ペムブロリズマブ治療効果と免疫細胞マーカーの解析を行った。この結果、CD62Llow CD4 T細胞が無増悪生存期間、全生存期間と有意な相関関係を有していることが判明した。さらに、mass cytometry解析を行うことで、CD4 T細胞分画のフルマッピングを行い、CD62Llow CD4 T細胞と強い相関関係を有する少数細胞分画を発見した。 化学放射線治療前後の末梢血単核球解析を行った。この結果、CD62Llow CD4 T細胞の有意な増加を認め、治療後無増悪生存期間とCD62Llow CD4 T細胞が相関することを見出した。放射線治療による免疫賦活効果を定量する性能について、2019年ESMOで発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
既治療肺癌に対するニボルマブ治療効果のみならず、未治療肺癌に対するペムブロリズマブ治療効果予測が治療前末梢血T細胞解析により可能であることを明らかにすることができた。進行期肺癌だけでなく、局所進行肺癌に対する放射線治療が抗腫瘍免疫に与える効果を評価できることも明らかになり、局所進行肺癌に対する根治的化学放射線治療後デュルバルマブ地固め治療の最適化を末梢血免疫モニタリングにより行う観察研究を開始することができた。 基礎的なメカニズムを明らかにする解析方法として、全く新規な網羅的シグナル蛋白リン酸化アレイ解析をT細胞において施行することに成功している。 CyTOF解析結果を用いた次元圧縮法でのクラスターマッピングにより、従来免疫学で定義されていなかった少数CD4 T細胞分画が抗腫瘍免疫に極めて重要であることを発見した。現在、特許出願を行っている。 また、フローサイトメトリ解析した全情報に基づいて免疫細胞間のネットワーク解析を行っている。この結果は、システムとしての免疫を数理的に解析可能とするものである。
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Strategy for Future Research Activity |
肺癌以外の癌腫における末梢血解析を検討している。これまでに、パイロットスタディとして悪性黒色腫、腎癌、尿路上皮癌患者における免疫チェックポイント阻害薬治療前末梢血免疫解析を少数例で行っており、肺癌と同様な効果との相関関係を見出している。 また、EGFR-TKIといった分子標的治療薬の耐性メカニズムとして付加的遺伝子変異による多様化が重要であることがわかっている。T細胞免疫は遺伝子変異産物をネオ抗原として認識することから、付加的遺伝子変異の多いクローンを優先的に駆逐していると考えられる。この仮説に基づき、分子標的治療薬の長期効果と免疫細胞間の関連について解析を進める予定としている。 基礎的研究として、超高感度質量分析によるネオ抗原探索、免疫細胞間ネットワーク解析、CD4 T細胞クラスターマッピング解析、T細胞リン酸化シグナルアレイ、によりCD62LlowCD4 T細胞を中心とした抗腫瘍免疫現象の全貌を明らかとする予定である。
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Research Products
(14 results)
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[Presentation] CD4+ T-cell immunity predicted long-surviving NSCLC patients after PD-1 blockade therapy2019
Author(s)
Kyoichi Kaira, Ou Yamaguchi, Atsuto Mouri, Ayako Shiono, Fuyumi Nishihara, Yu Miura, Shun Shinomiya, Kosuke Hashimoto, Yoshitake Murayama, Shigehiko Kitano, Kunihiko Kobayashi, and Hiroshi Kagamu
Organizer
ASCO
Int'l Joint Research
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[Presentation] Effector CD4+ T-cell induction by thoracic radiotherapy for NSCLC patients2019
Author(s)
Yu Miura, Koko Kodaira, Megumi Kenmochi, Tomoko Yamashiro, Ou Yamaguchi, Ayako Shiono, Atsuhito Mouri, Fuyumi Nishihara, Shun Shinomiya, Kosuke Hashimoto, Yoshitake Murayama, Kunihiko Kobayashi, Kyoichi Kaira, and Hiroshi Kagamu
Organizer
ESMO
Int'l Joint Research
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[Presentation] Phase II study to evaluate the peripheral blood mononuclear cell biomarker for nivolumab efficacy on previously treated non-small cell lung cancer subjects2019
Author(s)
Yosuke Kawashima, Ou Yamaguchi, Kozuki Toshiyuki, Naoki Furuya, Futoshi Kurimoto, Takae Okuno, Tadaaki Yamada, Kenichiro Komiyama, Ko Ryo, Yoshiaki Nagai, Nobuhisa Ishikawa, Toshiyuki Harada, Kana Watanabe, Seike Masahiro, Kenichi Yoshimura, Kunihiko Kobayashi, Hiroshi Kagamu
Organizer
ESMO
Int'l Joint Research
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