2018 Fiscal Year Annual Research Report
恒常的インテグリンβ7活性化シグナルを標的とした骨髄腫幹細胞排除法の開発
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17H04207
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
保仙 直毅 大阪大学, 医学系研究科, 寄附講座准教授 (10456923)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 多発性骨髄腫 |
Outline of Annual Research Achievements |
活性化の状態に関係なくインテグリンβ7に結合するFIB27(「標準抗体」)と活性化インテグリンβ7に特異的に結合するMMG49を用いて、MM.1S細胞を染色し、FACS解析すれば、totalのβ7の発現量と共に、活性化型β7の発現量を定量的に知ることができる。MM.1S細胞は全てMMG49/FIB27共陽性である。まず、Cas9を恒常的に発現するMM.1S骨髄腫細胞を樹立し、その後guide RNAレンチウィルスライブラリーを導入した。ライブラリーが導入されたMM.1S細胞をFACS解析した時に、MMG49抗体の結合が低下しているが、FIB27抗体の結合は変化していない細胞がインテグリンβ7の発現量は変化していないが不活性型立体構造に変化した細胞ということになる。そこで、この分画をセルソーターを用いてsortし、回収した細胞を増幅することを試みたが、その状態を維持したまま増殖しうる細胞は単離できなかった。そこで、骨髄腫細胞由来のcDNAライブラリーを活性化型β7の発現がないHut78細胞に導入し、その活性化を促進する分子を単離するというスクリーニングを新たに開始した。4つの候補分子を同定したが、それらの分子単独でインテグリンb7の活性化を誘導できるものではなかった。そこで我々はアプローチを変更し、Hut78細胞に様々なtreatmentを施し、インテグリンb7の活性化を惹き起こすものを探索することにした。その結果、骨髄腫細胞の大きな特徴である小胞体ストレスをツニカマイシンあるいはタプシガルギンで誘導してやることによりインテグリンb7の活性化が誘導されることを見出した。そのメカニズムを現在解明中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定した方法論では目的の分子には到達しなかったが、別の角度からkeyとなる現象をとらえることに成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
Hut78細胞に小胞体ストレスをツニカマイシンあるいはタプシガルギンで誘導した際に、活性化および非活性化型インテグリンb7のリサイクリングに異常が起こるのではないかという仮説を立てており、その検証を行う。
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