2017 Fiscal Year Annual Research Report
創薬に向けた、CALR変異とfibrocyteに着目する骨髄増殖性腫瘍研究
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17H04210
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
下田 和哉 宮崎大学, 医学部, 教授 (90311844)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久冨木 庸子 宮崎大学, 医学部, 講師 (00284836)
幣 光太郎 宮崎大学, 医学部, その他 (20468028)
日高 智徳 宮崎大学, 医学部, 講師 (40381115)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 癌 / シグナル伝達 |
Outline of Annual Research Achievements |
Ⅰ. MPLとの会合、およびSTAT活性化に必須な変異CALRの領域同定と、それを標的とする治療法開発:A. 血球特異的CALRノックアウトマウスを用いて野生型CALRの造血における機能を解析した。成体マウスの解析を終え、現在骨髄移植実験によって造血幹細胞の機能解析へ進んでいる。B. 変異CALRとMPL結合に必須な領域、および変異CALRによるSTATの恒常的活性化に必須な領域をそれぞれ同定した。現在、結合能とSTAT活性化能に相関があるのかどうかについて解析を進めている。
Ⅱ. 骨髄線維症発症、骨髄線維化進展に要する分子イベントの同定:骨髄線維症において変異がみられるエピジェネティクス調整分子であるEZH2、TET2とCALRの二重変異マウスを作成した。多重変異マウスのため交配に時間を要したが、現在マウスのコロニーを拡大し、表現型解析を開始している。
Ⅲ. Fibrocyteが骨髄線維化に及ぼす影響の同定と、線維化を改善するMEK阻害剤の機序解明:A.単球から分化する紡錘形細胞であるFibrocyteをフローサイトメトリー、免疫染色で検出する系を確立した。Cldoronate liposome静注による単球除去の実験系を確立した。また、CD11bのプロモーター下にdiphtheria toxin receptor(DTR)を発現するCD11b-DTRマウスにDTを投与し、単球を除去する実験系について予備実験を進めている。B. 骨髄線維症を発症するJAK2変異マウス、線維化を生じずETを発症するCALR変異マウスのfibrocyte数について比較実験を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Ⅰ. MPLとの会合、およびSTAT活性化に必須な変異CALRの領域同定と、それを標的とする治療法開発:ノックアウトマウスの樹立と繁殖は予定通り進み、解析を開始できた。移植実験には戻し交配も必要であるが順調に進んでおり、骨髄移植実験まで開始することができている。in vitroの実験に関してもcDNAコンストラクト、各種変異体作成も順調に進んでおり、免疫沈降による蛋白質会合実験も系を確立できた。
Ⅱ. 骨髄線維症発症、骨髄線維化進展に要する分子イベントの同定:骨髄線維症において変異がみられるエピジェネティクス調整分子であるEZH2、TET2とCALRの二重変異マウスの作成に成功した。現在マウスのコロニーの拡大を進めている。
Ⅲ. Fibrocyteが骨髄線維化に及ぼす影響の同定と、線維化を改善するMEK阻害剤の機序解明:解析に用いる下記の実験系の確立に成功した。1)単球から分化する紡錘形細胞であるFibrocyteをフローサイトメトリー、免疫染色で検出する系 2)Cldoronate liposome静注による単球除去の実験系 3)CD11bのプロモーター下にdiphtheria toxin receptor(DTR)を発現するCD11b-DTRマウスの導入と繁殖
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Strategy for Future Research Activity |
Ⅰ. MPLとの会合、およびSTAT活性化に必須な変異CALRの領域同定と、標的とする治療法開発:1)野生型CALRの造血における機能同定・・・H29年度の研究を継続する。造血幹細胞の自己複製能、および抗がん剤投与、出血などの危機的造血を検討し、CALRの造血に果たす生理的役割を明らかにする。2)変異CALRとMPLの結合、STAT恒常的活性化に必須な領域の阻害・・・H29年度の研究により同定した、変異CALRがMPLに結合するために必須な領域のペプチドの作成を試みる。 Ⅱ. 骨髄線維症発症・進展に要する分子イベントの同定:H29年度に作成した変異CALR/TET2欠損マウス、変異CALR/EZH2欠損マウスを解析する。骨髄線維化、競合連続移植による二重変異造血幹細胞の自己複製能の評価、造血幹細胞の遺伝子発現の網羅的解析を行う。 Ⅲ. Fibrocyteが骨髄線維化に及ぼす影響の同定と、線維化を改善するMEK阻害剤の機序解明:骨髄線維化細胞の由来が腫瘍クローンから分化したfibrocyteであることを確認し、 H29年度に確立した解析系を用いて、今年度は下記の研究へと進む。試験管内での単球からfibrocyteへ分化実験について、解析系を樹立する必要がある。 1)ドライバー変異の違いによるfibrocyteの数、質、分化能の同定:骨髄線維症モデルマウス、線維症を発症しないマウスの末梢血fibrocyte数・単球からfibrocyteへの分化能を測定する。2) JAK2変異マウスの単球を試験管内でMEK阻害剤処理し、数の変化、fibrocyteへの分化能が阻害されるかを検討する。
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Research Products
(13 results)
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[Journal Article] Thrombohemorrhagic events, disease progression, and survival in polycythemia vera and essential thrombocythemia: a retrospective survey in Miyazaki prefecture, Japan2018
Author(s)
Kamiunten A, Shide K, Kameda T, Sekine M, Kubuki Y, Ito M, Toyama T, Kawano N, Marutsuka K, Maeda K, Takeuchi M, Kawano H, Sato S, Ishizaki J, Akizuki K, Tahira Y, Shimoda H, Hidaka T, Yamashita K, Matsuoka H, Shimoda K:
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Journal Title
International Journal of Hematology
Volume: 107
Pages: 681~688
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Hmga2 collaborates with JAK2V617F in the development of myeloproliferative neoplasms2017
Author(s)
Ueda K, Ikeda K, Ikezoe T, Harada-Shirado K, Ogawa K, Hashimoto Y, Sano T, Ohkawara H, Kimura S, Shichishima-Nakamura A, Nakamura Y, Shikama Y, Mori T, Mason PJ, Bessler M, Morishita S, Komatsu N, Shide K, Shimoda K, Koide S, Aoyama K, Oshima M, Iwama A, Takeishi Y:
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Journal Title
Blood Advances
Volume: 1
Pages: 1001~1015
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Loss of Tyrosine Kinase 2 Does Not Affect the Severity of Jak2V617F-induced Murine Myeloproliferative Neoplasm.2017
Author(s)
Yamaji T, Shide K, Kameda T, Sekine M, Kamiunten A, Hidaka T, Kubuki Y, Shimoda H, Abe H, Miike T, Iwakiri H, Tahara Y, Sueta M, Yamamoto S, Hasuike S, Nagata K, Shimoda K
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Journal Title
Anticancer research
Volume: 37
Pages: 3841~3847
Peer Reviewed
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[Presentation] Murine CALR mutants Homologous to human CALR mutants activate STATs, but do not develop MPNs in vivo.2017
Author(s)
Kotaro Shide, Takuro Kameda, Masaaki Sekine, Ayako Kamiunten, Keiichi Akizuki, Yuki Tahira, Haruko Shimoda, Tomonori Hidaka, Yoko Kubuki, Arata Honda, Masahito Ikawa, Kazuya Shimoda
Organizer
第79回日本血液学会学術集会
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