2018 Fiscal Year Annual Research Report
Identification of miRNA which rescues EBF1 deficiency indispensable for B cell lineage commitment
Project/Area Number |
17H04212
|
Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
幸谷 愛 東海大学, 医学部, 教授 (00517477)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
穂積 勝人 東海大学, 医学部, 教授 (30246079)
伊川 友活 国立研究開発法人理化学研究所, 生命医科学研究センター, 客員研究員 (60450392)
大塚 正人 東海大学, 医学部, 准教授 (90372945)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 細胞運命 / 転写因子 / miRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞の運命は「転写因子」という蛋白によって決定される、と考えられてきた。一方、急性白血病の発症には、転写因子の異常 によって運命決定やその後の分化が障害される「脱分化」が深く関与する。我々は、小分子RNAの一つ、miR-126が転写因子を介 さず、白血病細胞の脱分化を正常化し、B細胞に分化させたことを端緒に、正常造血において、miR-195が転写因子EBF1欠損によ る脱分化を補完し、正常な初期B細胞を誘導することを見出した。しかし、採取される細胞が少量である、長期培養を要する、 細胞数が減少する、などの問題のため、miR-195導入EBF欠損B細胞の解析が初期B細胞に限られた。そこで本研究では上記の問題 点を克服し、miR-195導入EBF欠損B細胞の分化能や機能を全B細胞分化段階で示すことによって、転写因子EBF1の欠損をmiR-195 が、完全に補完するのか、を明らかにする。具体的には、新たにmiR-195 過剰発現マウスを作成し、既存のコンディショナルEBF1欠損マウスやVav-Creマウスを入手し、それらを交配することで、上記の解明を試みる。上記が認められれば、転写因子が必要不可欠であるという細胞分化における古典的な概念を覆し、細胞の系列決定においては、すでに決定された系列細胞において、他の系列関連遺伝子の発現を中止させる作用のみとされたmiRNAの機能が予想以上に強力であることが明らかになる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
EBF1欠損マウスはヘテロでしか維持できないため、交配したメスか胎児肝細胞を採取し、ホモのものを選別するという煩雑な手技を要する。また、ホモの発生率 が理論値の25%より少なく、時には全く採取されないk十も多いなど効率が非常に悪い状況が 続き、そのことが研究の進展を大きく阻害してきた。そこで、コンディショナルEBF1欠損マウスを研究分担者の伊川研究者より入手し、造血幹細胞でCreリコンビ ナーゼを発現するVav1-CREマウスを千葉大岩間教授より入手し、それぞれ胚移植が終了し、 交配を開始した。また、miR-195は腫瘍抑制機能を持つため、導入細胞の増殖が抑制され、徐々に細胞数が減少するという問題が存在した。よって、EBF1欠損造血 前駆細胞にmiR-195を導入し、骨髄移植した際には、1か月程度しか観察期間が得られなかった。その結果、CD19を発現するB細胞系列決定まではマウス生体内で観 察することができたが、その後のB細胞分化が誘導されるか否かをあきらかにすることが不可能であった。この点を克服するために、分担者大塚研究者により、 miR-195トランスジェニックマウスが作製された。今後はこのマウスと先にあげたコンディショナルEBF1欠損マウスを交配することにより、EBF1欠損造血細胞に miR-195を過剰発現した際に、B細胞分化がどこまで進展するのかという点を明らかにできると考えられる。
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究で重要な意味を持つ、マウスの作成、入手、交配はほぼ終了している。よって、最終年度において、もっとも重要な研究の遂行は可能と考えられる。 メカニズムについても、miR195の標的遺伝子が複数同定されているため、最終年度に包括的な機序が明らかになると考える。
|
-
-
[Journal Article] Role of exosomes as a proinflammatory mediator in the development of EBV-associated lymphoma2018
Author(s)
Higuchi H, Yamakawa N, Imadome K-I, Yahata T, Fujita K, Lu J, Ogata J, Kotaki R, Yokoyama K, Okuyama K, Sato A, Takamatsu M, Kurosaki N, Mohamad Alba S, Azhim A, Horie R, Watanabe T, Kitamura T, Ando K, Kashiwagi T, Matsui T, Okamoto A, Kuroda M, Nakamura N, Handa H, Kotani A
-
Journal Title
Blood
Volume: 131(23)
Pages: 2552-67
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-