2017 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of the molecular basis of IMiDs' action
Project/Area Number |
17H04213
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
伊藤 拓水 東京医科大学, 医学部, 准教授 (30533179)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ユビキチン / サリドマイド / IMiDs / 骨髄腫 / セレブロン |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は基質S1のCRBN結合領域の決定を行った。基質S1はZinc fingerを有しており、近年の研究によりIkarosやAilos、そして新たに海外のグループが発見したZFP91のCRBN結合領域はQCXXCG(Xは任意のアミノ酸)といった特定の配列であることが判明しつつある。研究代表者はS1よりその配列を探したところCXXCGのところは同一の配列を二か所発見したことにより、それらのGlycineに変異をいれ、CRBNとの結合および薬剤による分解を解析したところ、片方のみ結合および分解が抑制されることが判明した。今後はそのglycine変異体を発現する癌細胞株を樹立し、IMiDsの作用機構においてどのような位置づけかについて解析を行う予定である。またS1が結合するのにCRBN V388が重要であることを明らかにした。V388をイソロイシンに置換するとS1との結合能が失われることを明らかにした。 非基質X1については、明確なコンセンサス配列がなく特定のグリシンを見つけることに難航しているが、新たな発見としてマウスX1がマウスCRBNと結合可能であるという結果を得た。これまでのすべてのCRBN結合基質はヒトCRBNとしか結合能がなく、マウスCRBNで確認されたものはなかった。X1はマウスにおいてもCRBNとの結合がみられる因子としては、研究代表者の知識では最初のものである。 次に他の非基質がみつかるかどうかについて、プロテオミクス解析を行い、CRBN結合タンパク質の探索を行ったところ、新たな非基質候補因子X2を発見した。X2は現在のところ薬剤処理で分解が確認されない。いかなる生理学的、薬剤の作用における意義があるのかについては次年度から検証する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度においてはS1のCRBN結合部位のglycineを発見し、またS1が結合するのにCRBNのV388が重要であることなどを明らかにし、順調にS1の研究は進んでいる。またX1についてはマウスCRBNにおいても結合するという意義深い結果を得た。ただし、X1におけるCRBN結合部位などは本年度では決定できなかったので、来年度継続して挑戦したいと考えている。研究計画における想定通り新たな非基質X2が発見できたのは大変良い成果であったと考えている。よって、おおむね順調であると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は本年度に引き続き、基質S1,非基質X1、そして本年度に見いだした新たな非基質候補X2の解析を行い、また更にCRBN結合因子の探索を行うことを計画している。またトランクリプトーム解析なども行い、これらS1などが関わるシグナル伝達・遺伝子発現についても分析する。基質S1の解析についてはCRBN結合に必要なGlycineやCRBNにおけるS1結合に必要なアミノ酸を明らかにしているので、次年度はCRBN非結合型S1発現のがん細胞株を樹立することを計画している。またS1をRNAiでノックダウンした際とIMiDsを処理した際の遺伝子発現変化を比較するためにトランスクリプトーム解析を行うことを考えている。CRBN非結合型S1細胞が樹立されたならば、その細胞もトランスクリプトーム解析のコントロールとして使用する予定である。非基質X1の解析については本年度に引き続いてCRBNとの間の相互作用の様式の解析を続ける。X1の欠損変異体をいくつか作成し、領域を決定する。またIMiDs処理によるCRBN結合がX1のいかなる機能に影響を与えるのかについても生化学的に検証することを考えている。非基質候補因子X2の解析について、次年度ではX1と同様結合様式を解析し、IMiDs存在下におけるCRBN結合のX2への影響を検証することを考えている。加えてLC-MS/MSによるさらなるプロテオミクス解析を実施し、がん細胞におけるCRBNに結合する基質・非基質の単離を行っていくことを予定している。
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Research Products
(4 results)
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[Presentation] Ligand-directed degradation of GSPT1 by a novel cereblon modulator drives potent antitumor effects2017
Author(s)
Matyskiela M, Lu G, Ito T, Pagarigan B, Lu CC, Miller K, Fang W, Wang NY, Nguyen D, Houston J, Carmel G, Tran T, Riley M, Nosaka L, Lander G, Gaidarova S, Xu S, Ruchelman A, Handa H, Carmichale J, Daniel TO, Cathers BE, Lopez-Girona A and Chamberlain P
Organizer
AACR Annual Meeting 2017