2018 Fiscal Year Annual Research Report
大気汚染物質によるアトピー性皮膚炎での炎症発現の機序の解明
Project/Area Number |
17H04240
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
奥山 隆平 信州大学, 学術研究院医学系, 教授 (80292332)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | AhR / アトピー性皮膚炎 / 大気汚染 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、アトピー性皮膚炎の有病率が世界的に増加しており、大気汚染との関連が示唆されている。大気汚染物質中の多環芳香族炭化水素に対応して活性化する受容体型転写因子Aryl hydrocarbon receptor (AhR)に着目して、アトピー性皮膚炎の解析を進めた。表皮で恒常的にAhRが活性化したAhR-CAマウスを用いる。 AhR-CAマウスの皮膚からgentleMACSを用いてホモジナイズして浸潤細胞を単離する手法を安定化させる。その上で、FACSを使い表面抗原の解析を進めた。Th2リンパ球とともにgroup 2 innate lymphoid cellsが多数浸潤することが明らかになってきた。樹状細胞に関しても細胞数が増加していたが、Langerhans cells自体は数が増えておらず、増加している樹状細胞の形質を今後明らかにしていく必要が生じた。サイトカインに関してもFACSでの解析を試みたが、シグナルが弱く解析条件のさらなる検討が必要であった。 また、mRNAの発現パターンの明らかにすることで皮膚炎の性状を解析するため、浸潤細胞の単離を繰り返し、浸潤細胞の単離を行いRNAのストックを進めた。RNAをmicroarrayで網羅的に解析することが可能となりつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
酵素処理等を工夫することで、膠原線維の中に潜り込んだ浸潤細胞をgentleMACSを用いて単離するシステムが安定化した。単離した皮膚炎の浸潤細胞を、FACSを使い表面抗原の解析を進めた。その結果、Th2リンパ球とともにgroup 2 innate lymphoid cellsが多数浸潤することが明らかになってきた。樹状細胞に関しても細胞数が増加していたが、Langerhans cells自体は数が増えていなかった。Innate immune cellsとacquired immune cellsの両面から解析を進めるている。 また、浸潤細胞のmRNAを用いて、microarrayで網羅的に解析する準備が整いつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
AhR-CAマウスでは、Th2リンパ球とともにgroup 2 innate lymphoid cellsの両者が増加していた。さらにサイトカイン産生を解析する。その上で、ヒトのアトピー性皮膚炎とどの程度類似しているか検討する。また、microarrayで網羅的にmRNA発現を調べ、その結果をヒトのアトピー性皮膚炎でのmRNA発現パターンと比較し、大気汚染物質による皮膚炎の特徴を明確にする。
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