2018 Fiscal Year Annual Research Report
パーキンソン病におけるαシヌクレインを標的とする核医学イメージングプローブの開発
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17H04260
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小野 正博 京都大学, 薬学研究科, 教授 (80336180)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | αシヌクレイン / イメージング / パーキンソン病 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、昨年度までにαシヌクレイン(α-syn)への選択的結合性を見出したベンゾイミダゾール(BI)誘導体であるBI-2の構造を基盤として,PET核種である18Fの導入を想定した新規化合物(BI-4, BI-5, BI-6)の合成およびin vitroにおけるα-synおよびAβ凝集体に対する結合性に関する評価を行った.なお,in vitroにおいて,α-synおよびAβ凝集体の存在下でBI誘導体の蛍光強度が上昇したことから,この蛍光上昇作用を利用してα-synおよびAβ凝集体に対するin vitro結合飽和実験を行った.その結果,BI-4およびBI-6はα-syn凝集体に対する選択的結合性を示した.また,別の母核を有するPQ誘導体を用いて,新たなSPECT用α-synイメージングプローブの開発を行った.PQ誘導体はBI誘導体と同様,α-synおよびAβ凝集体の存在下で蛍光強度は上昇したことから,蛍光上昇作用を利用した結合飽和実験によってα-synおよびAβ凝集体に対する親和性を評価した.その結果,ジメチルアミノ基を導入したPQ-1はα-syn凝集体に対する選択的結合性を示した.さらに,[125I]PQ-1を合成し,正常マウスを用いた体内放射能分布を行ったところ,[125I]PQ-1は投与早期の脳移行性とその後のクリアランスを示した.今後さらにPQ誘導体の構造活性動態相関を行うことにより,より高性能なα-synイメージングプローブの開発を目指す.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
BIおよびPQ誘導体の構造活性相関動態研究より、当初目標であったαシヌクレインへの選択的結合性および正常マウスにおける脳移行性を示す化合物の選出に成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、臨床応用可能なプローブ開発を目指し、αシヌクレイン凝集体への選択的結合性およびマウスにおける脳移行性の向上を目的とした構造活性動態相関研究をさらに推進していく予定である。
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