2017 Fiscal Year Annual Research Report
PET microdose study for finding appropriate dose of isoproterenol as a disease modifying treatment of dementia
Project/Area Number |
17H04269
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Research Institution | National Center for Geriatrics and Gerontology |
Principal Investigator |
伊藤 健吾 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 治験・臨床研究推進センター, センター長 (70184653)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 泰之 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 脳機能画像診断開発部, 室長 (20423171)
関 千江 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 放射線医学総合研究所 脳機能イメージング研究部, 研究員(任常) (40443080)
古山 浩子 岐阜大学, 工学部, 助教 (50402160)
山田 貴史 名古屋経済大学, 人間生活科学部管理栄養学科, 准教授 (50531860)
加藤 隆司 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 放射線診療部, 医長 (60242864)
鈴木 啓介 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 治験・臨床研究推進センター, 部長 (70635408)
鈴木 正昭 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 脳機能画像診断開発部, 研究員 (90093046)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | イソプロテレノール / マイクロドーズ試験 / 陽電子断層撮像法 / PET / 被曝線量 / MIRD法 |
Outline of Annual Research Achievements |
11C-イソプロテレノールの合成は、[11C]二酸化炭素(CO2)を放射性前駆体とする[2-11C]アセトンの合成と、ノルエピネフリンと[2-11C]アセトンの還元的アルキル化反応との連続自動合成によって行い、最適な還元剤と酸触媒の組み合わせの選択を進めることで、11C標識PET製剤として臨床使用に十分な収量と、比放射能を達成した。 上述の方法を用いて11C-イソプロテレノールを合成し、健常ラットに投与後、小動物用 PET-CTカメラ(GAMMA MEDICA-IDEAS 社製 FX-3200) を用いて頭部のダイナミック撮像を行った。また、同時に持続的に動脈微量採血を行い、血漿中の放射能濃度を測定した。健常ラットにおいて、経静脈投与された11C-イソプロテレノールは、血漿中で速やかに代謝および洗い出しされ、投与後早期にほぼ消失していた。また、脳内の放射能は早いピークと洗い出しを認め、11C-イソプロテレノールもしくは放射性代謝物の脳移行を示唆した。 また、PETマイクロドーズ試験の安全性評価として、11C-イソプロテレノールを経静脈投与した時に受ける被曝線量をマウスにおいて評価し、米国核医学会MIRD 法に従いヒトにおける単位放射能あたりの実効線量を推定した。ヒトに11C-イソプロテレノール注射液を投与した場合の実効線量は、一般的な11C標識PET薬剤と同程度の被曝をきたす程度と考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究実施計画における、製造プロセスの最適化、被曝線量評価、ラットにおける脳移行性測定のバリデーションは実施済みであるため、おおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
11C-イソプロテレノールを用いた PETマイクロドーズ試験は、臨床研究法に基づく特定臨床研究になるため、特定臨床研究として必要な製造・品質管理を行うため、製造プロセスの最適化とバリデーションを行う。その内容について、申請者の所属する 研究センターに設置された短寿命放射性薬剤臨床利用委員会の客観的な評価を受け、また、外部の認定臨床研究審査委員会に研究計画を申請し、承認された場合にのみ臨床使用する。 臨床研究計画が承認されたのちに、男性健常ボランティア 5 名(20 歳以上 40 歳未満)を対象とし、11C-イソプロテレノール注射液を約 370MBq 投与し、PET-CT装置を用いて全身のダイナミック撮像を約 120分間行う。また、PET検査中に、投与した放射性薬剤の動脈血中放射能濃度測定および代謝物分析のための動脈血採血を行う。得られたPET 画像より経時的な全身放射能分布の評価を行う。PET画像上に関心領域を設定して局所時間放射能濃度曲線を得る。この時間放射能濃度曲線および動脈血採血により得られた血液中放射性薬剤の時間放射能曲線にコンパートメントモデル解析を適用して分布容積を求める。これにより、ヒトにおける血漿中濃度-組織中濃度関係が明らかになる。
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Research Products
(4 results)