2018 Fiscal Year Annual Research Report
抗原特異的な移植免疫寛容を誘導するための自然・獲得免疫時空間ネットワークの構築
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17H04277
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Research Institution | National Center for Child Health and Development |
Principal Investigator |
梨井 康 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 移植免疫研究室, 室長 (60321890)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西尾 佳明 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, RI管理室, 共同研究員 (80727347)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 免疫寛容 / 自然免疫 / 獲得免疫 / 臓器移植 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在行われている臓器移植後の免疫抑制療法は、獲得免疫機構によるT細胞の活性化を直接の標的とする事によりなされている。しかしながら、現在の免疫抑制療法では、半永久的な免疫抑制剤の投与が必要であり、不必要な免疫抑制による副作用が問題となっている。本研究は、既存の免疫抑制剤による非特異的な免疫抑制を廃し、「生体内での移植抗原特異的免疫制御環境の構築と移植抗原特異的免疫寛容誘導法の確立」を行う事を目的としている。 本年度は、抗CD4、CD8抗体とドナー抗原であるペプチドの移植前投与による抗原特異的免疫制御環境の構築に伴うマウスアロ心臓移植モデルの生着延長効果についての検討した。コントロールとして、B6マウスの心臓をC3Hマウスに異所性に移植し、グラフトの生存期間は(n=15; MST=7day)でした。抗CD4またはCD8抗体の投与7日後、B6の心臓をC3Hに移植した。その結果、抗CD4抗体単独投与では、グラフトの生存期間は(n=14; MST=100day)で、抗CD8抗体単独投与では、グラフトの生存期間は(n=17; MST=21day)であった。その結果を踏まえて、抗CD4またはCD8抗体の移植前投与を行うと共にドナー抗原であるペプチド(Kb peptide 54-68:QEGPEYWERETQKAKG; 5ug/head)を移植前5,3,1日に投与した。その結果、抗CD4抗体+ペプチドでは、1例除いて、他の全例は100日(n=14; MST=100day)を超え、グラフトの永久生着を得た。一方、抗CD8抗体+ペプチドでは、グラフトの生存期間は(n=12; MST=16.5day)で、有意なドナー臓器の生着延長効果を認めなかった。 今後、抗体及びドナーペプチドの効果の有効性を検証するために、抗体及びペプチドの投与方法、投与回数を調整すると共に、その作用機序について検討を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
抗T lymphocyte抗体とドナー抗原由来ペプチドを用いた組み合わせによる移植抗原特異的な免疫制御環境の構築を検討した。抗CD4抗体とドナー抗原の投与は、抗CD4抗体の単独投与に対して顕著な臓器生着延長効果を示した。しかしながら、抗CD8抗体との組み合わせでは、期待した程の効果は得られておらず、本プロトコールで制御性免疫を誘導する抗原提示細胞によるドナーペプチド取り込み、提示が行われる環境になっているかを確認するため、時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、ドナーに対するペプチドの効果の有効性を検討するために、抗CD8抗体以外の抗体、例えば、抗CD20(B細胞)抗体との併用、およびペプチドの投与方法、投与回数を検討すると共に、その作用機序について検討を行い、ドナーに対する特異的な免疫制御環境の構築を目指す。また、抗体とペプチド併用以外、自然免疫惹起物であるβ-グルカン、虚血再灌流障害による産生された様々なDAMP等を用いて検討することも必要であり、引き続き、自然免疫刺激が移植抗原特異的な免疫制御環境の構築条件を検討すると同時にその作用機序の解明をしたい。
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Research Products
(4 results)