2018 Fiscal Year Annual Research Report
膵胆道癌の新規血清マーカー探索及び癌微小環境蛋白の網羅的Secretome解析
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17H04287
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
宮崎 勝 国際医療福祉大学, 大学病院, 教授 (70166156)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野島 広之 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (10507320)
高野 重紹 千葉大学, 大学院医学研究院, 助教 (20436380)
吉富 秀幸 千葉大学, 大学院医学研究院, 准教授 (60375631)
加藤 厚 国際医療福祉大学, 医学部, 教授 (70344984)
大塚 将之 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (90334185)
賀川 真吾 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (90507302)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 胆道癌 / バイオマーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
1)Tandem Mass Tags (TMT) labeling、LC-MS/MSを用い同定された、膵癌特異的血清proteinについてのvalidation、およびELISA系の確立。膵癌3症例の術前術後血清をTMTでlabelingし、LC-MS/MSにて同定された血清蛋白のprofile比較から術前:術後peak比が2倍以上の20種の蛋白がpick upされ、その中、術前術後症例を増やし検証すると、膵癌特異的血清蛋白としてC4b-binding protein alpha chain (C4BPA)が術前の方が術後と比較し有意に高値であった。C4BPA値を膵癌と膵炎および他癌種との比較を行ったところ、健常人・膵炎・膵癌sample間において、C4BPA値は健常人と比較し膵癌で有意に上昇し、健常人と膵炎間で差はなく、膵癌では有意に上昇していた。他種の癌血清中C4BPA値との比較においても、膵癌での有意な上昇が認められた。 2)膵癌切除標本を用いたC4BPA蛋白の免疫染色を行うと、C4BPAの膵癌間質への発現を確認した。さらに、C4BPAの間質での発現が高いほど予後が良好であることが示された。今後は、免疫担当細胞との関連について検討する予定である。 3)胆道癌術前術後3症例の血清を用いて、胆道癌術後より術前に高値である血清中のエクソソームを網羅的に探索し同定を試みる。さらに同定された候補エクソソームについてのvalidationをsample数を増やし行い、新規胆道癌バイオマーカーの探索を行う。 現在、網羅的解析から得られたpreliminaryなdataとして、胆道癌マーカーとしてThrombospondin-1が術前により高値であることが分かった。これらのデータを元に、本年度は胆道癌の癌周囲環境下のThrombospondin-1の役割について検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度の実績としては、当初の予定通りTMT labeling、LC-MS/MSによる候補蛋白の同定のvalidation、および健常人・膵炎との比較、他癌種との比較を行った。膵癌組織におけるC4BPA蛋白の局在さらに胆道癌での標的蛋白の同定が予定通り期間内に行われた。 現在の研究の進捗状況としては本年度が最終年度であり、追加の免疫染色、および胆道癌のプロテオーム解析により同定された蛋白に対する組織学的・細胞実験の準備が進行中で、おおむね順調に進展していると考えられる。今後、さらに今年度を通じ、研究を計画通り発展させていきたい。さらに免疫染色に関しては現在の症例数からさらに増やし、臨床での薬剤耐性との関連も検討していく予定である。 さらに外部への情報、成果の発信については、現在までに少しずつ積み上げてきたデーターをまとめ、今年度も継続して学会報告を行っていく予定である。論文に関してもまずは第一報を投稿していく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
膵癌新規血清バイオマーカー、C4BPAについては、今後さらに感度の高いELISA系を確立することにより、臨床応用を目指す予定である。免疫組織学的検討では、症例数を増やし臨床病理学的との相関を解析する予定である。さらに、癌周囲微小環境内でのC4BPAの働きについて、免疫担当細胞との関わりを中心に解析する予定である。 胆道癌血清バイオマーカーについては同定されたThrombospondin-1 (TSP-1)の胆道癌における胆道癌組織内の発現と臨床病理学的意義やfunctional analysisを行い、胆道癌におけるbiomarkerとしての可能性について検討する予定である。
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Research Products
(8 results)